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2度も日本上陸を失敗した「おいしい不要品」スキットルズ 3度目に見えた勝機と異色の戦略とは

SNSで大きな反響。売上効果も想像以上に

MZ:4つの施策を実施してみて、反響はいかがでしたか。

村上:「スキットルズ オリジナル」、「スキットルズ サワー」ともに想像以上の売上効果でした。特に、サワーは期待を大きく超えた結果となりましたね。SNSの投稿も賑やかしのようなコメントから、食べてみた感想のコメントへと、1ヵ月のあいだで徐々に変化していることが見て取れます。

中村:SNSとの相性が最もよかったのはトレインジャックでしたね。都内の限られた路線、限られた期間での掲出でしたので、拡散性には不安がありましたが、「クスリと笑えて投稿したくなる」スキットルズらしい表現が、SNSとマッチした結果と考えています。

 また、ちょうど本日打ち合わせした20代の方が、「応募できない応募キャンペーン」にトライしてくださったようで、「全然応募できませんでした!」と楽しそうにされていました。クレームにもなりかねないキャンペーンでしたが、意図した面白さが伝わって嬉しかったです。

画像を説明するテキストなくても可

MZ:SNSでは、「元々知っている」「私は好きだけどね」といった、スキットルズらしい少々シニカルな反応も見られました。

村上:海外経験のある方からの反応がやはり大きかったですね。「前から好きだったけれど、コレおいしいよ!」と、二次的におすすめしてくださる声も多く、非常にありがたかったです。今はプロモーションを通じて認知し、初めて買ってみたという方も増加してきています。

回転の速い日本の菓子業界で、定番化を目指すために

MZ:世界中で大人気である一方、日本では3度目の上陸でようやく成功の兆しが見えたスキットルズでしたが、日本のお菓子業界ならではの特徴や販促の難しさはあったのでしょうか。

村上:日本のお菓子業界は、新製品の回転が非常に速いですね。年間に何千もの製品が発売され、春は苺、秋は栗といった季節ラインナップも充実しています。当社のような日本に工場を持たない企業では追いつけません。回転速度を合わせて新製品をリリースしていくのではなく、まずは「スキットルズ オリジナル」、「スキットルズ サワー」の2製品をしっかりと認知してもらい、根付かせることに重点をおきました。

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MZ:年々競争が激しくなっているチューイングキャンディやグミの市場ですが、選んでもらうためにどんな工夫をしましたか。

村上:知ってもらう導線と方法に特徴を持たせたうえで、店頭ではスキットルズならではの派手なパッケージで目立たせ、手に取ってもらえるように設計しました。

中村:加えて、日本人の「ちょこっと食べたい」需要に合わせて袋にジッパーを付け、食べきらなくても持ち運びやすいように工夫しました。今回はコンビニ・ドラッグストアでも販売しているため、吊り下げられるようなハンガースタイルのパッケージにしています。

MZ:プロモーションに注力しただけではなく、パッケージも日本に合わせてローカライズされているのですね。最後に、今後の展望について教えてください。

村上:今のところ、初速1ヵ月の効果は絶好調ですが、回転の速い日本の市場でいつまでもこの状態が続くとは思っていません。これからも継続的にコミュニケーションをとって、着実にスキットルズファンを増やしたいですね。

 またスキットルズは欧米で50年間愛され続けてきたブランドです。日本でもこれから50年、100年、ずっと愛されるブランドになりたいですし、大きなプロモーションをしなくとも手に取ってもらえる「定番のお菓子」になることを目指していきます。


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この記事の著者

安光 あずみ(ヤスミツ アズミ)

Web広告代理店で7年間、営業や広告ディレクターを経験し、タイアップ広告の企画やLP・バナー制作等に携わる。2024年に独立し、フリーライターへ転身。企業へのインタビュー記事から、体験レポート、SEO記事まで幅広く執筆。「ぼっちのazumiさん」名義でもnoteなどで発信中。ひとり旅が趣味。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2024/11/21 09:30 https://markezine.jp/article/detail/47322

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