トリマソリティアのマネタイズを支える仕組み
トリマソリティアでは、アプリ内広告の掲載によってマネタイズを行っている。アプリのインターフェースにポップアップとして表示される「インタースティシャル広告」と、動画の視聴など特定のユーザーアクションと引き換えにマイルを付与する「リワード広告」から発生する収益が、全体のほとんどを占めるそうだ。
「トリマからの送客を基本としているため、それ以外の集客施策はほとんど実施していません。トリマソリティアを積極的に利用するユーザーは、あわせてトリマも利用し続けてくれるため、後者のアクティブ率が高まりました。期待以上の効果と言えます」(北谷氏)
トリマソリティアのマネタイズを支えるソリューションの一つが「Moloco SDK」だ。提供元のMolocoは、機会学習を活用した様々なソリューションを提供している。DSPの「Moloco Ads」を通じた年間広告出稿額は10億ドルを超え、日本円にして1,500億円以上の規模を誇る。
Moloco SDKは、機械学習モデルを用いてアプリ内広告の収益最大化を実現する。2023年4月にリリースされ、導入企業は100社を超える。Molocoの簡(チェン)氏によると、同ソリューションの強みは三つあるという。
中間マージンを削減してリターンを最大化
第一の強みは、広告主のデマンド(出稿)に直接アクセスできる点。通常の広告取引においては、アプリパブリッシャーと広告主の間に中間業者が入るため、広告収益の20~35%は中間業者に対するマージンとして支払われる。しかしながら、Moloco SDKを導入すれば中間業者を排除した広告取引が可能となり、アプリパブリッシャーは広告収益の最大化を、広告主はROASの向上を目指せるわけだ。
第二の強みは、機械学習を通じた入札の最適化にある。Moloco SDKは過去のデータを基に、コンバージョンに至りやすいユーザーやLTVの高いユーザーなどを見極める。高価値ユーザーに対する入札を増やすことで、アプリパブリッシャーと広告主の双方にとって最適なCPM(Cost Per Mille)を実現できるという。
第三の強みは、多様な広告フォーマットに対応している点だ。アプリによって出稿可能なフォーマットや高い効果が見込めるフォーマットは異なる。「Moloco SDKなら、各アプリに応じて最適なフォーマットを選択し、ターゲットユーザーとの正確なマッチングも可能」と簡氏は語る。