小売業界において35期連続で増収を続けるドン・キホーテ。同社では、近年、メーカー企業とのコラボレーション(以下、コラボ)販促企画に注力している。2024年11月にはサントリーとのコラボ企画「ドつまみ総選挙」を行い、話題となった。今回のMarkeZine Day 2024 Focusでは同コラボの推進役となったPPIHグループのカイバラボの小林氏と、その支援を行ったNODEの石田氏が登壇。ドン・キホーテがメーカーとのコラボに注力する理由や、コラボに取り組む際の重要なポイントなどを解説した。
ドン・キホーテが抱えていた「三つの課題」
近年では小売業界が持つ固有の課題を打破する試みとして、企業同士のコラボに注目が集まっている。MarkeZine Day Focus 2024には、NODEのマーケティング&セールス統括を務める石田直行氏と、カイバラボでデータコラボレーション部の部長 兼 データ事業推進部の部長を務める小林真美氏が登壇した。
NODEは、マーケティングおよびCX領域を支援するコンサルティングファンド。クリエイティビティとロジックをかけ合わせてクライアントの施策改善を支援している。一方カイバラボは、ドン・キホーテやユニーを擁するグループのデータ・デジタル領域の専門子会社。“小売の未来”をつくることをミッションに、実証実験の推進や外部とのコラボの推進、リテールメディア・データ事業の運営を行っている。今回のコラボにおいても、中立的なポジションでPMO(Project Management Office)の役割を担っているという。
セッション冒頭で小林氏は、ドン・キホーテがメーカー企業とのコラボを積極的に推進する理由を解説。まず、背景にあった三つの課題を挙げた。
小林 真美氏
一つ目が「購買体験の変化への対応」だ。近年、購買行動の多くがデジタルにシフトしたことで、これまで消費者が店内で行っていた商品の認知や比較などはネット上で済ませることが当たり前となった。しかし、同社では自社のECを保有していない。そのため、ユーザーが来店する前に「いかに商品と出会ってもらうか」を考える必要があったのだ。
二つ目が「消費者ニーズの多様化」だ。これまで同社では、「商品選定の目利き力」を活かしてアミューズメント性の高い商品を仕入れてきた。しかし近年では、多様化する消費者ニーズへの対応として、プライベートブランド(以下、PB)やOEM商品を取りそろえるように。そのため、仕入れだけではなく商品開発力強化の必要が生まれた。
そして三つ目が「競合優位性の担保」だ。PBの開発やリテールメディアなど新たな取り組みを積極的に進める同社だが、当然、競合他社も多様な事業に取り組んでいる。このような状況下で、従来のメーカーとの関係性のままで事業を進めているだけでは、競合優位性を保てないという危機感があった。
消費者理解に有効なパートナーシップの構築
ドン・キホーテは「顧客にとって最も都合の良いお店であり続ける」をスローガンに掲げている。先述の三つの課題の解決策になり、このスローガンの実現にも近づく方法こそが、メーカーとのパートナーシップの構築だと小林氏は語る。
「消費者のニーズに応え続けるためには、消費者理解が必須です。それはメーカー様にとっても同様でしょう。そのため、当社が有するデジタルとリアル店舗両方での消費者との直接接点、そしてそこから得られる購買履歴などの消費者データをメーカー様とともに活用しながら、商品開発や買い場づくり、広告販促活動を実現していく必要があると考えています」(小林氏)
だが、各事業者としてはコラボを通じたより深いパートナーシップに際して懸念もあるだろう。石田氏が小売とメーカーがコラボを進めていく上での難易度の高さを指摘すると、ドン・キホーテでもコラボを推進していく上で次の三つの障壁に直面したと小林氏は語った。
- 「仕入れと販売」という従来の関係性から脱却できない
- 小売側・メーカー側ともに、組織横断でのプロジェクト推進が必要になる
- 新たな取り組みに向けた十分な稼働工数やコストを有していない
では、これらの障壁に対して、同社ではどのように対処したのだろうか。
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三ツ石 健太郎(ミツイシ ケンタロウ)
早稲田大学政治経済学部を2000年に卒業。印刷会社の営業、世界一周の放浪、編集プロダクション勤務などを経て、2015年よりフリーランスのライターに。マーケティング・広告・宣伝・販促の専門誌を中心に数多くの執筆をおこなう。
※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です
提供:株式会社NODE
【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社
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