2025年、意識すべきはマーケティングの本質への回帰
最も重要なのは、マーケティングの本質である「人を幸せにする」という原点への回帰です。この実現のためには、企業課題ではなく人の課題から発想を始めることが重要です。たとえば、シャンプーのマーケティングの場合、単に商品の優位性を主張するのではなく、「女性の97%が自分に自信が持てていない」という現実に着目し、「どうすれば使用者に自信を持ってもらえるか」という人間中心の問いかけから始めることが重要です。
YouTubeや TikTokといったデジタルプラットフォームは本質的に人間中心のメディアであり、ユーザーは広告を見るためではなく、楽しむために訪れます。企業都合の一方的なメッセージは、このような環境ではうまく機能しないでしょう。
AIもより一般的になり、従来の検索エンジンは「アンサーエンジン」と呼ばれる AIに移行します。検索ではなく、AIとの会話がネットの入り口になる。「大曲の花火大会が見たいな」と言えば、すぐに宿泊と移動のチケットが提案され、さらに秋田の歴史や文化を深掘りするような体験に誘われる。広告もまたその会話に自然と溶け込むことが求められるでしょう。
ここ数年は広告テクノロジーが中心のデジタル化が進み、一方的なマーケティングを加速させました。AI以降は反対に、より人間的な方向への進化(ヒューマナイゼーション)が進むのではないかと考えています。