クリエイティブの幅を広げながら、CPAを大幅改善
MZ:SBCは、今回のセプテーニのクリエイティブ×運用面における支援をどのように評価されていますか?
濱田:競合環境の激化にともないCPAが上昇する時期がありましたが、クリエイティブの本数増加や活用可能な素材の質向上により、最近では大幅な改善傾向にあります。また、これまでにない新たな訴求ポイントの発掘にも成功しています。
AIを活用することで、感覚的に「効果が期待できる」と考えていた表現とはまったく異なるクリエイティブが成功を収めるケースも増えています。LPについても、長期間にわたって同一デザインが優位性を保っていた状況から、新しいデザインへの転換が効率を損なうことなく実現できるようになっています。さらに、テレビCMと連動したデザイン展開においても、CM放映期間中の効率向上が確認されるなど、多様な施策での成果が現れています。
大山(SBC湘南美容クリニック):クリエイティブ面での具体的な変化として特筆すべきは、カラーバリエーションの拡大です。迅速な検証が可能になったことで、これまでは採用を躊躇していた暗色や寒色系のデザインなど、従来の定説にとらわれない挑戦的な表現が効果を上げています。
人間の直感や想定だけでは見出せなかった新しいクリエイティブの可能性が、AIの客観的な分析によって発見できることがわかりました。クリエイティブの幅が大きく広がっていると感じます。
若林:大規模な広告運用において、二重整形をはじめとする多岐にわたる施術のクリエイティブを継続して制作・展開することは難しいことです。しかし、セプテーニ様には常に変化し続ける環境に柔軟に対応していただいていることを実感しています。
また、グループ会社の強みを活かし、新しい領域においても、各社の専門性を効果的に組み合わせた提案をいただいています。その結果として、クリエイティブの幅を広げながらも、CPAの改善という具体的な成果も実現できています。
美容医療のリブランディングへ挑戦
MZ:最後に今後の展望をお聞かせください。
若林:美容医療業界の競争環境は、新規参入業者の増加や、コロナ禍の収束にともなう韓国美容医療へのアクセス改善により、一層の激化を見せています。また市場拡大にともない、業界全体が価格競争に陥りがちな状況となっています。このような環境下で、業界No.1として美容医療のリブランディングが必要な時期に来ていると認識しています。
濱田:こうした中、SBC湘南美容クリニックは、二重整形の価格帯とメニューを刷新しました。当院の品質重視の姿勢と誠実さを反映した内容となっています。
美容医療に関する情報があふれている昨今の状況では、価格のみに左右されない選択をしていただくことが重要だと考えています。そのため、多角的な訴求ポイントの提示や充実した保証制度、当院の強みとなる要素の明確な発信、そして洗練されたデザインによるクリエイティブ展開を通じて、皆様に適切な判断材料を提供し、当院を選択していただけるような訴求を目指しています。
田:SBC湘南美容クリニック様の描く将来像を実現するために、単なる価格競争を超えた質の高さを顧客へ確実に伝えていくことが重要なミッションとなっています。“伝わるクリエイティブ”を生み出していくために、人間のディレクターとAIが効果的にタッグを組んだ広告制作体制の強化を目指しています。現在も認知領域など一部で実施している実写の人物アバター生成やAIによる動画生成の取り組みを、獲得施策の領域にも拡大していく予定です。
大森:Metaプラットフォームの特性を活かしながら、一人ひとりのユーザーに合わせて訴求を最適化し、ユーザーに価格以外の価値(「高品質」「大手クリニックの安心感・信頼感」「保証制度の充実」など)も理解してもらうことで、SBC湘南美容クリニック様に対するポジティブな感情を喚起し、ブランド価値向上に繋げ、SBC湘南美容クリニック様独自のブランド世界観の構築を支援していきたいと思います。