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心を掴む「ブランドの世界観」の作り方 アートディレクターくぼたえみ氏が大切にする3つのポイント

「強固な世界観」は事業の羅針盤にもなる

──くぼたさんは、ブランドが世界観を表現することの意義を、どのようにお考えですか。

 ブランドの世界観は、「クライアントさんの魅力を最大限かつ効率的に伝えるための舞台」です。世界観があることで、CMや商品のパッケージ、店舗空間といったあらゆるプロダクトが、どれも同じ顔つきになります。消費者の方がどのコンタクトポイントで出会っても同じイメージを受け取ることができるため、とても効率的にブランドの価値を届けることができます

 加えて、強固な世界観は、ときに事業の羅針盤となります。プロジェクト初期の段階から具体的な一枚絵があると、みんなが同じ方向を向きやすいです。また、制作物を作る際にも、洗練されたアイデアが生まれやすくなると思います。

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──ブランドの世界観を作るにあたって、どのようなことが大事になってくるのでしょうか。

 クライアントさんから引き出した魅力をもとに、世界観を作るというプロセスは、これまでお話ししましたが、その際に、その世界観を「短い物語に落とし込む」ことがポイントです。

 たとえば、パティスリーGIN NO MORIであれば、「森の恵みを楽しめる、ここにしかない森」といったブランドの世界観をより伝わりやすくするために、“二匹のリスのパティシエ「チェスとナッツ」が銀色の不思議な森の中でせっせとお菓子を作っている”というストーリーを考えました。

 商品開発の際には、パティシエの方がチェスとナッツになりきってくださり、「チェスとナッツなら何を作るだろう」という発想からブランドのメイン商品であるクッキーボックス「プティボワ」は生まれました。

 このように、ストーリーがあることで、より一貫した、強固なブランドを作ることができるのです。

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──最後に、くぼたさんのこれからの展望をお聞かせください。

 アートディレクターはアーティストではないと思っています。クライアントさんの持つ魅力を最大限に引き出して、世界をオーダーメイドするのが私の仕事です。

 その中で、常に新しく多様な世界観を作って、見てくださった方にワクワクしていただきたいという思いがあります。対象となる商品やアウトプットの形は案件によって異なりますが、アートディレクターの仕事を通して、世の中のワクワクやときめきの総量を少しでも増やせたらうれしいです。

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この記事の著者

岡田 果子(オカダ カコ)

IT系編集者、ライター。趣味・実用書の編集を経てWebメディアへ。その後キャリアインタビューなどのライティング業務を開始。執筆可能ジャンルは、開発手法・組織、プロダクト作り、教育ICT、その他ビジネス。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2025/01/09 09:30 https://markezine.jp/article/detail/47588

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