マーケターにはあえて「越境すること」が求められる
最後に、マーケターの皆さんに今後求められるであろうことをお伝えします。AIなどマーケティングテクノロジーが進化を続ける中では、人間中心のアプローチが重要です。これは、左脳(データやロジック)と右脳(想いやストーリー)のバランスを取ることを意味します。一言で表現するのは難しいですが、左脳で計測し、右脳で響かせるといったアプローチが求められると思います。人々のインサイトを深く理解し、一人ひとりに丁寧に寄り添うという基本姿勢が、これまで以上に重要になってくるのではないでしょうか。
また、マーケティングの世界では、専門性を高めていく過程で、ともすると視野が狭くなる傾向にあると感じます。専門性を高めること自体は重要ですが、それだけでは十分ではありません。視野を広げるためには、自分の専門領域を超えて、意識的に「越境」する姿勢が大切です。一見すると関連性がないように見える領域でも、類比的に考えることで、共通の課題や解決のヒントを見出すことができます。
自分の専門領域以外の部署や業界から学びを得る「広さ」があってこそ、専門性という「深さ」とあいまって、より大きな価値を生み出すマーケターになれるのではないでしょうか。
チャレンジングなことではありますが、この「深さ」と「広さ」の両方を追求することが大切だと思います。
