顧客と運用者、両方のユーザー体験を考え取り組む
――現在、ファーストパーティデータの収集・活用は大きな課題の一つです。会員基盤を作っていきたいという企業に向けてアドバスをいただけますか。
石井:たるポを単なる中国新聞社の会員基盤ではなく、様々な企業様やプレーヤーの方に参画していただいて、地域全体でエコシステムの一つにしていきたいと考えています。このようなビジネスに興味があれば、たるポも連携先・パートナーの一つとして候補に入れていただけると嬉しいですね。
その上で、私たちがプロジェクトを進める上で気にした点は、ユーザー体験を考えて仕組みを作る点と、運用者の工数削減を考える点です。従来のシステムでも読者に向けたキャンペーンは実施できましたが、作業が多かったり、ユーザーの利便は高くなかったりと課題を抱えていました。これらの解消を意識していましたね。
たとえば、以前は「自分の会員ステータスがわからない」「ID取得の方法がわからない」といった問い合わせが毎月1,000件ほど届いていました。たるポを導入することで毎月100件ほどに減らせています。申し込みの動線が分かりやすく改善されたことで、申し込んでから決済に進まない、いわゆるかご落ちも減少しています。毎年実施している春のキャンペーンも前年の倍ほどの実績が出ました。やはり、ユーザーや運用者などのプレーヤーを思い描いて作ることが重要だと感じます。
岡田:デジタルのサービスを磨いていくには時間がかかると思います。優先順位をいかにつけるかも大切です。機能を取捨選択し、中長期的にニーズに沿いながら加えていくか計画を立てる。ロードマップが重要ですね。
――自社データと他社データの活用を見据え、ユーザー体験やシステム、規約など幅広い検討をしながらプラットフォーム作りを進めているのですね。本日はありがとうございました。
