合弁会社の設立も。事業横断的なマーケティングDXへの大きな挑戦
━━本日は明治のマーケティングDX戦略についてうかがいますが、初めに皆さんの業務領域、お立場を簡単に教えてください。
川端:価値創造戦略本部戦略推進部は、明治の中でいわゆるDXの取り組みを推進する組織で、私はグループ長として全体を見ています。具体的にはアプリなどを通じたデジタルサービスの企画立案および実行、ブランドを横断するようなキャンペーンの推進をしている立場です。また、明治ホールディングスのグループDX戦略部という組織も兼務しており、明治グループ全体のDX推進と事業会社との足並みを揃え、実行していくための橋渡しをしています。
栗原:川端と同じコンテンツ開発グループの栗原です。2025年1月から開始した「明治会員IDサービス」および「明治ポイント」に関わる全般を担当しており、キャンペーンや、クーポンの企画、運用、システム開発などを一貫して管理する立場です。
木下:先述の「明治ポイント」に関連するプロジェクトで、戦略の構築やシステム開発の領域に携わっている、Wellnize(ウェルナイズ)の木下です。元々、本プロジェクトには私が現在代表を務めるCo-Liftという企業のコンサルティングおよびソフトウェア開発事業の立場から関わっていました。その後、同じく本プロジェクトの推進に関わっていたゲキジョウ社との合弁会社という形で立ち上がったのがWellnizeです。2024年9月には明治から出資を受け、三社の合弁会社となりました。現在ではWellnizeでも私が代表となり、本プロジェクトによって生まれたサービスのマーケティンググロースまで一緒に取り組んでいます。
メーカーである明治が独自の「ID」「ポイント」サービスを開始
━━栗原さんからもご説明ありましたが、明治ではこの度、2025年1月14日から新サービスとして「明治会員IDサービス」および「明治ポイント」の提供を開始されたとうかがいました。まずはその概要をお教えください。
栗原:「明治会員IDサービス」は、文字通り、明治が提供する会員サービスです。これまで当社では、事業ごと、あるいはブランドごとにサービスを展開してまいりましたが、今回は当社で初めて、全社横断的な会員サービスを展開することとなりました。
会員向けにご用意している特典は、主に三つございます。
一つ目は会員が使える「公式アプリ」や「公式サービス」。明治ではデジタルマーケティングの取り組みの一貫として、生活者の皆様に向けた複数のアプリ、サービスを展開しており、その利用はすべて、この会員IDによって可能となります。
栗原:二つ目は「会員限定のキャンペーン」へのご参加が可能になること、そして三つ目が「明治ポイント」やそれに付随したクーポンの獲得、利用ができることです。
━━「明治ポイント」とはどのようなものでしょうか?
栗原:明治が会員の方に向けて発行・付与する独自のポイントです。明治会員として登録いただいた生活者の皆様には、たとえば「明治が提供するアプリの新規ダウンロード」といった機会に行うキャンペーンへの参加や、各種サービスの利用を行うことで、一人ひとりの会員IDに紐づいてポイントが付与されます。また、広報活動との連携も進んでおり、たとえば工場見学や食育セミナーに来ていただいた方にポイントをプレゼントする取り組みも始まっています。
━━なるほど。では、そのポイントはどのように利用できるのでしょうか? 生活者としては各種コンビニやドラッグストアなどの流通系のポイントサービス、値引きクーポンなどに慣れ親しんでいますが、そうした店舗での利用はどのように考えていますか?