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明治会員ID&明治ポイント、本格運用へ。メーカーが押さえるべきマーケティングDXの三要件

難しい組織横断でも前に進むために。明治が重要視するテストと説得

画像を説明するテキストなくても可

川端:こうしたサービスの開発は、テスト的に小さく始めて、細かく改善を繰り返す、という進め方が現在の主流だと思います。当社は長く続いている企業だからこそ「きちんと内容を固めてから始めよう」という文化でしたが、スモールスタート、アジャイル的な開発の必要性を理解してもらいながら、小さな成功体験を積んでいきました。

 たとえば、2024年6月~7月に大手ドラッグストア様のご協力を得て小規模でのテストをしました。明治会員IDへの登録をして「赤ちゃんノート」のアプリを使い始めていただいた方がエントリーできるキャンペーンを行い、抽選で明治ポイント250ポイントをプレゼント。この明治ポイントはクーポンに交換でき、特定商品の取り扱いがある全国のドラッグストア店舗で商品と引き換えができるという設計です。

 また、これと座組は異なりますが、社内の理解浸透を目的に社員向けのキャンペーンも行いました。連携に向けて動いていただいた各ブランドのマーケティングチームメンバーも含め、1,200名程度の社員が参加したのですが、会員ID登録からクーポンと商品の引き換えに至るまで体験してもらうことで、メーカーが発行したポイントが店舗で使えるクーポンになること、その使い勝手の良さをただ説明するよりもわかりやすく伝わったと思います。

 やはり重要なのは、社内外のステークホルダーそれぞれが持つ課題にとって解決手段になるのか、という視点です。社内のブランドであっても、ただ協力してほしいとお願いするのではなく、事業課題の解決や目標達成に貢献できるような価値を説明するほうがやはり納得してもらえます。このように、協力関係を築ける方々と少しずつ大きくしていくことが必要で、それが今回の本格始動につながったと考えています。

まずはID数の拡大へ。あらゆる接点の活用を視野に

━━最後に、明治会員ID、明治ポイントを通じた取り組みについて展望をお教えください。

画像を説明するテキストなくても可

栗原:今後の本格始動において、第一に注力していきたいのは、明治会員ID数の拡大です。そのために各ブランドで行われているキャンペーンと会員限定のキャンペーンとの連動を進めますし、もちろん先ほど挙げた四つのアプリやWebサービス、広報活動などのオフラインの接点も活用して、普及を目指してまいります。

 一方、ポイントの利用という観点では、ポイントと引き換え可能なクーポンが使える流通店舗、クーポンと引き換え可能な商品ラインアップの拡大も並行して行います。

川端:明治会員ID数が増えることは、社内の各ブランド事業をさらに巻き込む原動力になりますし、社外の流通の企業様に店舗への送客力を示すことにもつながります。そうして顧客を含めそれぞれがWin-Winの関係を作り、深められたらと思います。また、ゴールはお客様との間に複数のブランドとのつながりを作っていくことですので、今回挙げた例に限らず、そのための試行錯誤を続けてまいります。

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この記事の著者

安原 直登(編集部)(ヤスハラ ナオト)

大学卒業後、編集プロダクションに入社。サブカルチャー、趣味系を中心に、デザイン、トレーニング、ビジネスなどの広いジャンルで、実用書の企画と編集を経験。2019年、翔泳社に入社し、MarkeZine編集部に所属。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2025/02/07 08:00 https://markezine.jp/article/detail/48170

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