新入社員がCEOにダメ出しをする会議!?
田岡:廣崎さん自身がリーダーとして意識されていたことはありますか?

廣崎:これまで気を付けていたのは、メンバーが追っているKPIの先にある“収益”を見える化することです。特に施策実行者の目線では、メールの開封率やサイトのトラフィックのように、自分が担当している業務のKPIが仕事のゴールになるじゃないですか。それは当然ですし目の前のKPIも大事なんですが、その先の収益がどうなっているかを見せる、もしくは全員がそういう数字にアクセスできる環境を整えることで、自分ごと化を促すようにしていました。
田岡:大事ですよね。僕もBtoB企業でリーダー的なポジションを務めたときに、一番大事だなと思ったのが全体像を見せることでした。「経営としては今これが課題だと思っていて、こういう指標を追っていて、皆さんのやっている仕事はここに影響する部分なんですよ」という話を定例会議で伝えていました。
廣崎:アメリカにいたときに「いいな」と思った取り組みがあります。私がいた会社では、四半期ごとに全員が集まるオールハンズとは別に、従業員から経営者にダメ出しをする会があったんです。入社して3ヵ月足らずのメンバーがCEOに「なぜ今期の数字はこうなんですか?」と質問するシーンもありました。経営の数字に興味を持ってもらうためには良い文化だなと思って。
田岡:「Feedback is Gift」的な感覚が海外では一般的ですよね。日本企業にはなかなか馴染まないかもしれませんが、仕組みとしては絶対にあったほうが良いと私も思います。
チームとメンバーの成長を両立させる
田岡:BtoBマーケティング組織で、うまくメンバーを率いているリーダーの特徴が知りたいです。
廣崎:チームメンバーのキャリアパスを加味しながら動いている方を見ると「チームをうまく回しているな」と感じます。メンバーの専門性を高めることは大事なことですが、機械的な作業になってしまっては発展がないと思うんです。リーダーはチームに必要な役割を見極めつつ、メンバーのキャリアパスに必要なスキルを身に着けられるように取り計らうと良いのではないでしょうか。
田岡:いろんなポジションを経験させることは、さっきの「全体像を見せる」ことにもつながりますよね。僕自身、リーダーとして未経験のメンバーを抜擢することはあったのですが、理由を言語化できていなかったので、今のお話はすごく勉強になりました。