データから精緻にユーザー像を浮かび上がらせ、配信
──配信後のオーディエンス分析では、どのようなことがわかりましたか。
井川(TTD):今回のサイト訪問者は、年収が比較的高めな女性で、主に20~30代、美容やスキンケア、ラグジュアリーブランドに関心が高い層から多く反響がありました。他にもデートや、ウェディング、婚活、フィットネスアクティブ層、海外旅行関心層と親和性が高いことが明らかになりました。
細田(アッヴィ):美容医療は「自由診療」のため「保険診療」とは違い、全額自己負担で行われます。美容や健康など自分への投資に積極的な方の関心が高いものなので、今後はオーディエンス分析で浮かび上がったブランド関心層や海外旅行関心層にもリーチを広げていきたいです。
──どのような成果を得られましたか。
森川(TTD):オムニチャネルでの訴求を通じてユニークリーチを最大化しながら、クリニック検索率が48%アップしました。また、各メディアでBLSも実施し、TVerではブランド認知が4%、広告接触者の認知者が33%アップし、アッパーファネルへの施策に効果がありました。
DOOHは広告認知が15.2%、ブランド認知が4.4%アップしました。特に30代女性の認知が12%、美容クリニックでの利用意向が6.3%向上しており、アッパーファネルとミドルファネルに響いていたことがうかがえます。
GumGumによるコンテクスチュアル配信では、興味度が3.3%、行動変容で公式Webサイトのアクセスが1.9%向上しました。実際にクリニックで相談をした人も1.2%増え、ミドルファネルやローワーファネルに効果があることがわかりました。
細田(アッヴィ):DOOHなどのOOHメディアはブランドリフトが難しいと思っていたので、計測できたことやブランドリフトが見られたこと自体が、大きな意義を感じたポイントでした。また医療従事者の方からも広告を視聴したとお声をいただき、定性的にも実感がありました。

医薬品・医療機器の営業、マーケティングを経て現職。デジタルマーケティングのリードを担う。現在、「アラガン・エステティックス・ビューティー」という美容情報を発信するオウンドメディア運営やLINE、ペイドメディアでの情報発信などを行っている。
細田(アッヴィ):今まで様々なプラットフォームを試してきましたが精緻に取得できるデータの豊富さという点では、The Trade Deskさんが一番ではないでしょうか。「こんなデータも見られるんだ!」と驚くほど掘り下げられ、大きな学びになりました。しっかり分析できるプラットフォームのおかげで、そこを起点に仮説を立てることができており、他の施策にも活かせています。
ベストプラクティスを求め、新たなメディアにチャレンジ
──今後の展望をお聞かせください。
西澤(アッヴィ):現在はファーストパーティデータを蓄積している最中なので、どんどん貯めて広告の精度をさらに上げていきたいです。加えて、まだ出稿していない音声メディアやコネクテッドTVにもトライしてみたいです。そうして日本で得たベストプラクティスを、グローバルでも展開していけたらと考えています。
細田(アッヴィ):我々の持っているチャネルやWebサイトもうまくThe Trade Deskとの広告に連動させて、大きなオムニチャネルをつくっていきたいですね。今後も、より精度の高いパターンを見つけ、適切な美容医療の情報発信を行っていきたいと思っています。
またThe Trade Deskでは広告配信の前後1時間で、広告接触者が指定のキーワードを含んだページに来訪したかどうかを計測するIBI (Inferred Brand Intent)という計測方法もあるため、次回配信で、ユーザーの態度変容を見ていきたいですね。この計測方法により、1時間前には美容医療に関するWebサイトの閲覧行動がなかった人が広告を見た後、1時間以内に関連した領域のWebサイトを見た場合、態度変容したと考えられ、「1CV」とカウント可能と聞いています。
森川(TTD):今回のオーディエンス分析結果で出てきた新しいターゲティングやクリエイティブの検証に加えて、美容院サイネージや音声広告、ソーシャル素材の活用など、他の新しいメディアでの効果も検証しながら、アラガン様にとって1番良い配信設計を一緒に考えていきたいです。
井川(TTD):The Trade Deskは、マーケターの皆様が様々なメディアやターゲティングのTry&Learnを重ね、ナレッジを積み上げていけるプラットフォームです。引き続き効果的なオムニチャネル戦略を実施し、新たな計測の切り口にトライすることで一緒にアラガン様にとってのベストプラクティスを探していきたいです。
