様々なメディアを統合した「オムニチャネルマーケティング」の効果と優位性
──どのようなきっかけでオムニチャネルマーケティングを始めたのでしょうか。
西澤(アッヴィ):元々弊社の米国のデジタルチームもThe Trade Deskのサービスを使っていました。MetaやGoogleの広告とあわせてCTVや音声広告を実施したところ、CVが倍くらいまで跳ね上がったと聞きました。日本でのコミュニケーションを開始した後、「それだけ大きな効果があるのなら、日本でもオムニチャネルマーケティングをやってみよう」と始めてみることになりました。
─The Trade Desk では、オムニチャネルマーケティングをどのように定義していますか。
井川(TTD):弊社では、「複数の広告チャネルやデバイスを統合した広告配信で、一貫した広告体験をユーザーに提供するだけでなく、シングルプラットフォームで横断した効果計測ができること」と定義しています。
たとえばユーザーは、多岐に渡るメディアに接触をしていますよね。TTDは様々なチャネルのメディアと、パートナーシップを組んで弊社のプラットフォームに接続しています。それにより、メディアを横断したユーザー単位のフリークエンシー管理ができ、マーケターが気になる「ユーザーがどういったメディア達に接触して、最終的にサイト訪問や購入に至ったのか」とユーザージャーニーを明らかにできるのです。

広告主向き合いを担当。企業の担当者に向けて、広告における課題の洗い出し、活用方法を提案している。
──アラガン・エステティックスには、どのような提案をしましたか。
井川(TTD):美容医療が悩みの解決策の一つになると、より身近に感じられるきっかけをつくるべく、ユーザーとアラガン様との信頼醸成が重要と考えました。興味関心や位置情報を基にした細かなターゲティングに加えて、目的に沿った掲載面を提案した形です。
またThe Trade Deskは、ユーザー動向や態度変容の可視化ができるようにキャンペーン設計をするのも強みの一つです。メディアを横断して一律の評価基準を持つことの重要性に共感していただいただけでなく、データを蓄積し、継続してマーケティングを改善し続ける点をご評価いただきました。
チャネルごとに異なるファネルのBLSが向上
──具体的なお取り組みについて、教えてください。
森川(TTD):2024年11月に、11月14日はアンチエイジングの日であることを訴求したオムニチャネルキャンペーンを実施しました。プレミアムな在庫でインパクトのあるTVer、DOOH、 GumGum のリッチメディア広告でキーワードを使用したコンテクスチュアル配信をすることで、美容に関して興味があり、今まさに検索している人に向けて配信を行いました。さらにTVerのターゲティングについてはDOOHの視聴者リターゲティングや、サイト来訪を起点にした独自の自動類似拡張、美容医療に関するサードパーティデータも活用。また、美容関連施設に通っているユーザーなど、様々な切り口でターゲットリーチを広げていきました。

代理店や広告主のメディアプランニングから配信までのコンサルティングサポートなどを手がけている。
細田(アッヴィ):SNSに全振りするマーケティングから、新しいリーチを獲得することが重要です。The Trade Deskさんとであれば様々な消費者のタッチポイントに触れられると感じ、オムニチャネル配信に取り組みました。
美容医療のクリニックに通われている患者さんは、レーザー治療や医療脱毛を利用している方が多く、我々が情報発信している注入によるしわ治療を受けられている方はごく一部です。したがって、クリニックに通っている方にも認知いただくために位置情報を活用し「美容医療を受けられるクリニックのあるエリアによく行く人」もターゲティングしました。さらに、20代〜50代、特に30代後半以降の方々をコアなターゲットとしました。