2.専門用語・データ過多で、読者が離脱する

たとえば、
- 難しい専門用語を多用する
- 統計データをやたらと詰め込む
- 業界の専門的な話に偏る
というパターンは結果的に読者がついてこられなくなります。
「専門用語を使わないと伝わらない」と思うなら、身近なたとえ話を交えたり、「データはできるだけ載せるべき」と思うなら、それが読者にどう影響するのかを示したり……これくらいの親切心は持ちたいところです。
・悪い例(データの羅列)
「近年のコンバージョン最適化においては、A/Bテストの実施が不可欠である。たとえば、◯社のレポートによると、A/Bテストを実施したランディングページは、未実施のものと比較して11.4%のCTR向上を記録している」
・良い例(データの解釈)
「商品やサービスの購入率を上げるためには、『どちらの広告やデザインがより効果的か』をテストすることが欠かせません。たとえば、マーケティングツールを提供する◯社の調査では、2種類の広告を比較する『A/Bテスト』を行うことで、クリック率が約11%向上したという結果が出ています」
データや専門用語を載せるのは良いですが、「それが読者にどう関係するのか?」まで書くことで、離脱を防げます。
3.読者の“共感”が抜け落ちてしまう
データや理論を盛り込んだ記事は、知識としての価値は高いものの、読者が「これ、自分の話だ」と思えなければ、意味がありません。権威性ばかりを強調すると、「正しいことはわかるけど、自分には関係ない」と思われるリスクがあります。
たとえば、こんな記事になっていないですか?
・「業界のトレンドとしては〇〇が重要」だが、「だから読者がどうすればいいのか?」が書かれていない
・「こうすれば成果が出る」とデータを示すが、「実際にやると何が難しいのか?」が抜けている
具体的な文章で比べると次のようになります。
・悪い例(理論的には正しいが、共感できない)
「動画マーケティングはエンゲージメントを高めるのに効果的だ」
・良い例(共感できるストーリーを交える)
「動画マーケティングはエンゲージメントを高めると言われるが、実際にやってみると 『何を話せばいいのかわからない』という壁にぶつかる人が多い。そこで、初心者がスムーズに始められるステップを紹介しよう」
以上の三つの失敗に分けて説明しましたが、避けるためのチェック項目をまとめると、次のようになります。
- 専門家の意見を活用しつつ、自分の経験や現場のリアルな声を入れる。
- 専門用語やデータを使いすぎず、読者にわかりやすく説明する。
- 読者の悩みや課題を織り交ぜ、「これは自分に関係ある」と思わせる。
権威性は“演出するもの”ではなく、“にじみ出るもの”です。“読者に刺さること”を優先しさえすれば、結果的に「信頼される記事」になります。
本当に“信頼される”コンテンツの作り方
“権威っぽい記事”ではなく、“実際に役立つ記事”を作るために、意識すべきポイントを整理してみます。
1.形式的な権威性より「現場のリアル」を優先する
多くの人は学者や研究者の意見を引用することを優先しがちです。しかし、「現場のリアルな経験」も同様に信頼できる情報です。
たとえば、次のような視点です。
-
「このマーケティング施策が成功した」とデータを示すだけでは不十分
→「実際に運用したら、こういう壁にぶつかった」という話のほうが、読者にとって有益な情報になる -
理論上は正しいが、現場では理論通りにならないことが多い
→成功事例だけでなく、「実際にやってみたらどうだったか?」を伝える -
データは正しいが、実際に適用するにはこういう落とし穴がある
→失敗経験や試行錯誤をシェアすることで、よりリアルな記事になる
こうした視点が入ることで、読者は「これは実際に役立つ情報だ」と感じます。権威性を意識すると同時に「リアルな経験を伝える」ことを優先しましょう。