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第110号(2025年2月号)
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中山さん、コンマケのモヤモヤに答えをください。

“権威性”の演出、やりすぎていないですか?【誤解だらけのコンテンツマーケティング】

2.専門用語・データ過多で、読者が離脱する

画像を説明するテキストなくても可

 たとえば、

  • 難しい専門用語を多用する
  • 統計データをやたらと詰め込む
  • 業界の専門的な話に偏る

 というパターンは結果的に読者がついてこられなくなります。

 「専門用語を使わないと伝わらない」と思うなら、身近なたとえ話を交えたり、「データはできるだけ載せるべき」と思うなら、それが読者にどう影響するのかを示したり……これくらいの親切心は持ちたいところです。

・悪い例(データの羅列)

 「近年のコンバージョン最適化においては、A/Bテストの実施が不可欠である。たとえば、◯社のレポートによると、A/Bテストを実施したランディングページは、未実施のものと比較して11.4%のCTR向上を記録している」

・良い例(データの解釈)

 「商品やサービスの購入率を上げるためには、『どちらの広告やデザインがより効果的か』をテストすることが欠かせません。たとえば、マーケティングツールを提供する◯社の調査では、2種類の広告を比較する『A/Bテスト』を行うことで、クリック率が約11%向上したという結果が出ています」

 データや専門用語を載せるのは良いですが、「それが読者にどう関係するのか?」まで書くことで、離脱を防げます。

3.読者の“共感”が抜け落ちてしまう

 データや理論を盛り込んだ記事は、知識としての価値は高いものの、読者が「これ、自分の話だ」と思えなければ、意味がありません。権威性ばかりを強調すると、「正しいことはわかるけど、自分には関係ない」と思われるリスクがあります。

 たとえば、こんな記事になっていないですか?

・「業界のトレンドとしては〇〇が重要」だが、「だから読者がどうすればいいのか?」が書かれていない

・「こうすれば成果が出る」とデータを示すが、「実際にやると何が難しいのか?」が抜けている

 具体的な文章で比べると次のようになります。

・悪い例(理論的には正しいが、共感できない)

 「動画マーケティングはエンゲージメントを高めるのに効果的だ」

・良い例(共感できるストーリーを交える)

 「動画マーケティングはエンゲージメントを高めると言われるが、実際にやってみると 『何を話せばいいのかわからない』という壁にぶつかる人が多い。そこで、初心者がスムーズに始められるステップを紹介しよう」

 以上の三つの失敗に分けて説明しましたが、避けるためのチェック項目をまとめると、次のようになります。

  • 専門家の意見を活用しつつ、自分の経験や現場のリアルな声を入れる。
  • 専門用語やデータを使いすぎず、読者にわかりやすく説明する。
  • 読者の悩みや課題を織り交ぜ、「これは自分に関係ある」と思わせる。

 権威性は“演出するもの”ではなく、“にじみ出るもの”です。“読者に刺さること”を優先しさえすれば、結果的に「信頼される記事」になります。

本当に“信頼される”コンテンツの作り方

 “権威っぽい記事”ではなく、“実際に役立つ記事”を作るために、意識すべきポイントを整理してみます。

1.形式的な権威性より「現場のリアル」を優先する

 多くの人は学者や研究者の意見を引用することを優先しがちです。しかし、「現場のリアルな経験」も同様に信頼できる情報です。

 たとえば、次のような視点です。

  • 「このマーケティング施策が成功した」とデータを示すだけでは不十分
    →「実際に運用したら、こういう壁にぶつかった」という話のほうが、読者にとって有益な情報になる
  • 理論上は正しいが、現場では理論通りにならないことが多い
    →成功事例だけでなく、「実際にやってみたらどうだったか?」を伝える
  • データは正しいが、実際に適用するにはこういう落とし穴がある
    →失敗経験や試行錯誤をシェアすることで、よりリアルな記事になる

 こうした視点が入ることで、読者は「これは実際に役立つ情報だ」と感じます。権威性を意識すると同時に「リアルな経験を伝える」ことを優先しましょう。

次のページ
“自分ならではの視点を持つ”ことが真の独自性

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この記事の著者

中山 順司(ナカヤマ ジュンジ)

SEO・ソーシャル・動画の3領域でのコンテンツ企画と制作が得意な生粋のコンテンツクリエイター。ソフトバンク、楽天トラベル、Six Apart、freee、ファベルカンパニーを経て2024年に独立。コンテンツマーケティングを専業とし、オウンドメディアとYouTubeの設計 / 企画 / 執筆 / 編集 / 分析 / 改善 / SEO を幅広く行う。MarkeZine、Web担当者Forum、ねとらぼ、WorkshipMAGAZINE等で執筆しつつ、Content ...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2025/03/05 08:00 https://markezine.jp/article/detail/48367

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