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第110号(2025年2月号)
特集「イマドキの中高生・大学生のインサイトを探る」

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中山さん、コンマケのモヤモヤに答えをください。

“権威性”の演出、やりすぎていないですか?【誤解だらけのコンテンツマーケティング】

2.専門家の定義を広げる

 「権威性」と言うと、多くの人は「大学教授の意見」や「大手企業の事例」を真っ先に思い浮かべるものです。ですが、現場のマーケター、営業担当者、エンジニアなども専門家になり得ます

画像を説明するテキストなくても可

 前項とまとめると、“実際に役立つ記事”を作るためには、

  • 「成功事例」より、「実際にやって失敗した話」のほうが読者に刺さる。
  • アカデミックな理論より、「実務ではどうだったか?」の視点を重視する。
  • 学者・研究者だけでなく、現場のプロも専門家として扱う。

 といった意識が求められます。

“自分ならではの視点を持つ”ことが真の独自性

 ここまで、

  • 「データを引用するだけ」ではなく、「このデータをどう解釈するか?」まで書く。
  • 「一般的には成功する手法」ではなく、「実際に試したらどうだったか?」を共有する。
  • 「権威性のある情報を使う」だけでなく、「自分の視点を加える」ことを意識する。

 が重要だと伝えてきました。

 自分の視点、切り口、意見を持って伝えるときに、一般的な主張との差をどのように持たせられるのか、以下に様々な例を挙げてみます。

1.理論上は正しいが、現場では通用しない話

  • 一般的な主張(検索上位記事によくある内容)
    「パーソナライズドマーケティングは効果的。ユーザーに最適な情報を届けることでCVRが向上する」
  • 自分ならではの視点(リアルな課題)
    「パーソナライズマーケティングはデータが揃っている前提だが、実際にはデータが十分に集まらずに精度の低い施策になりがち」
    「ユーザーが求めるのは“パーソナライズ”ではなく“手間を減らすこと”のほうが多い」

2.成功事例に目が行くが、失敗事例にこそ学びがある

  • 一般的な主張
    「Instagramのリールを活用したらエンゲージメントが上がった」
  • 自分ならではの視点
    「リールに注力したが、フォロワーの属性と合わず効果が出なかった」
    「成功事例よりも『こういう場合は失敗しやすい』の視点で考える」

3.表面的な事象ではなく、裏側の要因を掘り下げる

  • 一般的な主張
    「Z世代はグルメサイトよりInstagramでお店を探す傾向がある」
  • 自分ならではの視点
    「Z世代はInstagramで探しているのではなく、“グルメサイトを信頼していない”から使わなくなっている側面もある」
    「Instagramで店を探しているのではなく、『失敗しないためにみんなの体験を重視している』という視点が抜けている」

4.業界の常識を疑う

  • 一般的な主張
    「ブログのリード文は簡潔にまとめるべきだ」
  • 自分ならではの視点
    「リード文を短くすると離脱率が下がるのは事実だが、“あえて長くする”ことで滞在時間が伸びるケースもある」
    「重要なのは長さではなく、読者を引き込めるかどうか」

5.本質的な課題を指摘する

  • 一般的な主張
    「コンテンツマーケティングは長期的に取り組むべきだ」
  • 自分ならではの視点
    「長期戦と言われるが、実際は『短期的な効果が出ないと続けられない』という現実がある」
    「長期施策と言いつつも、最初の3ヵ月で手応えを感じる設計が必要」

6.成功したのは手法ではなく、別の要因だった

  • 一般的な主張
    「〇〇業界でYouTubeが成功したので動画マーケティングは必須」
  • 自分ならではの視点
    「成功したのはコンテンツの質ではなく、既存の強いブランドのおかげ」
    「無名の企業が同じ手法をやっても、同じ結果にはならない」
    「成功事例を真似る前に、その企業の背景やリソースも考えるべきだ」

次のページ
7.最適解は一つではない

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この記事の著者

中山 順司(ナカヤマ ジュンジ)

SEO・ソーシャル・動画の3領域でのコンテンツ企画と制作が得意な生粋のコンテンツクリエイター。ソフトバンク、楽天トラベル、Six Apart、freee、ファベルカンパニーを経て2024年に独立。コンテンツマーケティングを専業とし、オウンドメディアとYouTubeの設計 / 企画 / 執筆 / 編集 / 分析 / 改善 / SEO を幅広く行う。MarkeZine、Web担当者Forum、ねとらぼ、WorkshipMAGAZINE等で執筆しつつ、Content ...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2025/03/05 08:00 https://markezine.jp/article/detail/48367

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