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MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

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MarkeZine Day 2026 Spring

変容する金融業界のマーケティング

組織横断で全社員対象にマーケスキルの向上を。牽引者の木田氏に聞く、三井住友海上のマーケティング変革

マーケティング推進、組織カルチャー醸成のカギは?

MarkeZine:ここで、現在のマーケティング組織の規模や役割についても教えてください。社内支援以外では、どんなことに取り組んでいるのでしょうか?

木田:現在は「CXマーケティング部」という名称の組織となっており、約75名のメンバーが所属しています(2025年4月時点)。担当領域も拡大していて、マス広告・デジタルマーケティング・海外マーケティング・UIUX設計・CRMまで、顧客接点にまつわるすべてを管轄する組織となっています。

MarkeZine:組織の規模も担当領域もかなり拡大したのですね。

木田:ええ。実績に関しても、スタート当時は600万件ほどだったWebサイト流入数が3倍の1,800万件超となっていたり、資料請求数や代理店への送客数が30倍になっていたりと、顕著な成果が出ています。ゼロからのスタートだったので、顧客データを溜めるプラットフォームもない状態から整備し、データマーケティング、Webマーケティング、マスマーケティングなどを連鎖的に実施してきた形です。

MarkeZine:お話を聞いていると、とんとん拍子で変革が進んでいったように見えますが、実際はどうだったのでしょうか?

木田:もちろん、すんなりと受け入れてくれる社員ばかりではありませんでしたし、CXやマーケティングについて疑問視をする社員は数多く存在しました。データ活用をするにもレギュレーションが多く苦労しました。強力な後押しとなったのは、現社長である舩曵の存在です。

 現社長の舩曵は私が入社当初配属されたデジタル戦略部の管轄役員だったこともあり、DX・CXにも明るい人物です。我々マーケティングチームだけがボトムアップで主張するのではなく、トップダウンで全社的に空気感を変えてもらったことによって、他部署の意識も変化していくのを感じましたね。

MarkeZine:ちなみに、このような目に見えないカルチャーの醸成は、どの会社でも苦戦している印象です。どのように社員の意識改革を図っていくのがよいでしょうか?

木田:人間は結局のところ、目に見える結果しか信じないと思っています。やったことが結果としてついてくるということがわかった瞬間に、価値は見出されるものです。

 しかし、マーケティングは一朝一夕で成果が出るものではありませんよね。となると、スモールサクセスを積み重ねるしかありません。「マーケティングによって案件を獲得できた」といった小さな積み重ねを繰り返すことが、理解促進、文化醸成につながると考えています。

成功事例をグループ会社へ横展開。MS&ADグループ全体のマーケティング強化へ

MarkeZine:全社的なマーケティング変革を実現されてきたわけですが、2025年以降はどのような目標を掲げていますか?

木田:2025年度のテーマは、「グループ全体の底上げに向けて道筋を作ること」です。4月1日から、当社の親会社であるMS&ADホールディングス内に「CXデザインチーム」というグループ全体のマーケティングを推進する組織が立ち上がりました。グループ会社でもマーケティング人材が絶対的に足りていない状況ですので、三井住友海上での成功事例を横展開し、グループ全体のマーケティングコミュニケーションに貢献していければと考えています。

 また、当社はインドネシア、マレーシアといったASEAN諸国も商圏であるため、グローバルマーケティングも強化していく方針です。海外のスタッフを日本で育成し、現地でマーケティング推進の旗振り役になってもらうような事例も生まれてきています。

MarkeZine:最後に、金融業界全体を取り巻くマーケティングの状況について、感じることがあれば教えてください。

木田:業界全体として、マーケターやUXデザイナーなどマーケティング人材の不足を感じます。昔ながらのお堅いJTCのイメージが強すぎるゆえに、そういった人材が憧れる場所となっていないのが現状なのかもしれません。

 社内人材の育成も大切ですが、外からの即戦力も必要な状況でしょう。私は外から入ってきた中途人材ですが、数年でJTCのカルチャーや組織を全社的に変えていくことができました。イノベーションマインドのあるマーケターはぜひ、JTCを「自分の力で変革できるチャンスのある場所」と捉え、挑んでみてほしいですね。

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この記事の著者

安光 あずみ(ヤスミツ アズミ)

Web広告代理店で7年間、営業や広告ディレクターを経験し、タイアップ広告の企画やLP・バナー制作等に携わる。2024年に独立し、フリーライターへ転身。企業へのインタビュー記事から、体験レポート、SEO記事まで幅広く執筆。「ぼっちのazumiさん」名義でもnoteなどで発信中。ひとり旅が趣味。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2025/04/18 09:30 https://markezine.jp/article/detail/48847

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