食品業界はSNS活用と相性が良い。その理由は?
食品・飲料・外食といった「食」に関連する業界は、SNS活用と非常に相性の良い領域です。視覚的な魅力を伝えやすく、色味や盛り付け、湯気やとろみといった「美味しそう」と感じさせる要素が多数あります。写真や動画にしたときの訴求力が高く、SNS上でも目を引きます。
また、食品はユーザーの日常生活に深く関わる商材であり、購入頻度が高く、価格も比較的手頃な場合が多いです。体験のハードルが低いため、「ちょっと買ってみた」「また食べたい」といった声が投稿につながりやすくなります。さらに、手元に現物があることで「写真を撮る」「動画を撮ってSNSに投稿する」といった行動も生まれやすいです。

こうした特性により、食品業界のSNS運用では「ゼロからUGCを生み出す」よりも、「既に存在しているUGCをいかに広げ、質を高めていくか」「投稿されやすい状況をどう設計するか」を考え、取り組む場合が多いです。
積極的に増やしたい「食べたい」「美味しかった」の声
企業として、戦略的に増やしていきたいのが「食べたい」と「美味しかった」というUGCです。
「食べたい」は、まだ商品を体験していないユーザーによる期待を表しています。たとえば、「このビジュアルがたまらない」「絶対これ好きなやつだ」といった投稿は、視覚的な魅力に反応した声であり、他のユーザーにも「私も食べてみたい」と思わせる効果があります。特に新商品や季節限定メニューの訴求では、この「食べたい」という共感の可視化が、新規購入者の増加に寄与することも多いです。
一方で、「美味しかった」というUGCは、実際に商品を購入・体験したユーザーによるポジティブな評価の表れです。これは購入検討中の他ユーザーに対する信頼性の高いレビューとして機能し、意思決定を後押しする役割を果たします。また、写真や動画付きで感想が投稿されることが多いため、SNS上での情報拡散力も高く、商品そのものの“体験価値”を視覚的に伝える手段としても有効です。
このように、「食べたい」と「美味しかった」のUGCは、それぞれのフェーズで異なる効果を持ちますが、どちらも購入や来店に寄与する大事な声です。この2つの投稿が自然と生まれるような設計を行うことが大切です。
では、具体的にどのような発信を行えばユーザーの投稿を促せるでしょうか。ホットリンクが考える、「UGC創出のきっかけとなる投稿」の6パターンをご紹介します。
投稿例(1)UGC投稿機会提供型
このパターンは、ユーザーが自発的に投稿しやすくなる「きっかけ」を、企業側から明確に提示する手法です。ユーザーの中には、「SNSに何をどう投稿していいかわからない」と考える方も一定数はいます。不安や迷いがあると、実際には投稿せず終わることも少なくありません。
そこで企業が、あらかじめ専用のハッシュタグを設けたり、お手本となる写真を投稿したりすることで、ユーザーにとって投稿のハードルが下がり、UGCが生まれやすくなります。特に、既に一定のUGCが発生している企業に有効なアプローチです。