金銭的な価値ではなく、体験的な価値の訴求でCVRを大きく向上
MZ:会員データをはじめとする各種データを活用したパーソナライズ施策について、具体的にご紹介ください。
松尾:たとえば、従来長く行っているお客様の行動に合わせたメール配信のシナリオは既に100パターンほどはあります。また直近では「キャンセル・ウィンバック施策」が代表的ですね。ゴルフというスポーツはどうしても天候に左右されるため、キャンセルが発生するのはやむを得ないことです。しかしキャンセルせざるを得なかったお客様の予約したゴルフ場へのニーズは存在するため、天気の良さそうな別日を提案し「もう一度、行ってみませんか」と訴求するメールでまた戻ってきていただくたよう働きかけます。
こういった施策は、金銭的な価値ではなく「体験的な価値」が非常に高いと感じています。CVRで見ても、キャンセル・ウィンバック施策は社内で上位3位に入るほど大きな成果を上げました。
また、お客様が直近で見たもの、買ったものについてメールなどを送るレコメンド系施策はもちろん、お客様のサイト上の行動も分析するようにしています。メール配信に関してもキャンペーンへの応募の有無でシナリオを変えるなど、幅広い接客方法を展開していますね。例として、ゴルフ予約をしている人にゴルフ用品をご案内するなど、各種サービスと連携したデータ訴求を行っています。
顧客にとって必要なサービスを必要なタイミングで届ける
MZ:新規顧客の獲得についてはいかがでしょうか。
松尾:コロナ禍以降のゴルフ人口の増加も落ち着いてきた中、新規獲得が難しくなっているため、パフォーマンス面を重視していますね。とにかく広く広告を当てるより、どんな方に広告を見ていただければ新たなお客様になっていただけるかが重要です。
MZ:この他に、得られた成果や手応えをお教えください。
松尾:ECに関していえば、一度購入したお気に入りメーカーの新入荷のお知らせをする際のシナリオや、プライスダウンした時のシナリオが、非常にCVRの高い施策です。
ただ、お客様の行動は常に変化していくもの。現在のような物価高の時代には、月額数千円でゴルフ用品を利用できるサービス「TRY SHOT」をご紹介することが効果的かもしれません。お客様が必要としているサービスを、必要なタイミングでご案内することが重要です。
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