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『MarkeZine』(雑誌)

第114号(2025年6月 最終号)
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実務者が選ぶマーケティング本大賞のお知らせ

あなたの推薦書は?音部大輔氏・阿佐見綾香氏・白石愛美氏に聞いたおすすめのマーケティング本

 マーケティングに携わるあなたが同じ実務者に本を薦めるとしたら、どんな本を薦めますか? MarkeZineを運営する翔泳社は、この2025年に初めて「実務者が選ぶマーケティング本大賞」を開催することとなり、皆様のWeb投票を受け付けています。この記事ではマーケティング業界で活躍する実務家3名の推薦書をご紹介。どのような思い、意図があるのか、推薦文も合わせてご覧ください。

音部大輔さん:『進化するブランド オートポイエーシスと中動態の世界』

画像を説明するテキストなくても可

推薦文

 ブランドを確立することのビジネス上の意義は、消費者の満足にもとづいて高い利益を生み出す点にあります。なかでも、長く市場に存在しているブランドは、過去のマーケティング投資や、消費者の使用体験の蓄積が大きく、ブランドを持つことの価値がさらに高まる傾向にあります。

 ブランドが意味を保ちながら進化していく過程については、同じ著者による1999年の名著『ブランド 価値の創造』で提示されている、「製品指示型ブランド」が「ブランドネクサス型ブランド」へと変化していく様子が、きわめてダイナミックな進化として理解できます。

 本書は、日本を代表するブランド研究の第一人者による、時代を超えて読み継がれるべき一冊です。

音部 大輔さん
株式会社クー・マーケティング・カンパニー
代表取締役

17年間の日米P&Gを経て、ユニリーバや資生堂などでマーケティング担当副社長やCMOを歴任。2018年より現職。家電、食品、日用品、広告会社など国内外の多様な企業に組織強化やブランド強化の支援を提供。博士(経営学 神戸大学)。著書に『The Art of Marketing - マーケティングの技法』(宣伝会議、日本マーケティング学会「日本マーケティング本大賞」で2022年の大賞受賞)、『君は戦略を立てることができるか』(宣伝会議)などがある。

阿佐見綾香さん:『ブランディングの誤解 P&Gでの失敗でたどり着いた本質』

画像を説明するテキストなくても可

推薦文

 この本の魅力は、事例の豊富さとリアルさ。マーケターとして知っておきたい有名ブランドの失敗事例に加え、著者・西口一希氏のP&G在籍時代の失敗経験が赤裸々に語られています。マーケティングの実務者にとっては「あるある」と感じる場面も多く、共感しながら学べると思います。よく知られている商品やブランドの具体的な事例が多く、マーケティング初心者にも読みやすい内容になっており、理論だけではわかりづらい“ブランドづくりの落とし穴”を実感を持って理解できます。

 表層的な“らしさ”づくりではなく、顧客にどう記憶され、どう選ばれるかを突き詰めていくプロセスは、どのフェーズのマーケターにも学びの多い内容だと思います。

阿佐見 綾香さん
株式会社電通
第4マーケティング局 マーケティング・コンサルタント

早稲田大学卒業後、2009年電通入社。以来、マーケティング・コンサルタントとして企業のマーケティング、経営戦略、事業・商品開発、リサーチ、企画プランニングに従事。著書に累計3万部越えのベストセラー『電通現役戦略プランナーの ヒットをつくる「調べ方」の教科書 あなたの商品がもっと売れるマーケティングリサーチ術』(PHP研究所)、共著に『センスのよい考えには、「型」がある 感覚を言語化するインサイト思考』(サンマーク出版)がある。

白石愛美さん:『ニューワード ニューワールド 言葉をアップデートし、世界を再定義する』

画像を説明するテキストなくても可

推薦文

 多様性が前提となった今、社会の至るところで生まれる新しい言葉は、新しい価値観と出会うための入り口です。本書は、Z世代を中心に、変化の激しい時代に生まれた感性や社会観を「新しい言葉」から丁寧に紐解き、「今」を生きる生活者の内面に深く迫ります。

 私自身、育児と仕事の両立に悩んでいた10年以上前に、当時は新しかった「ワンオペ」という言葉に出会い、言語化できなかったモヤモヤの正体が腑に落ちた経験があります。こうした感情や状況に形をつける言葉は、自己理解を促し、他者との共感を生む貴重なツールです。マーケターにとって、自らの感性を耕し、生活者との対話を深めるためのヒントが詰まった一冊です。

白石 愛美さん
株式会社Amplify Asia 代表取締役
/株式会社YUIDEA 社外CMO

WPPグループにて、リサーチャーとして主にマーケティングおよびPR関連プロジェクトに従事。 その後、人事コンサルティング会社、電通アイソバーの広報を経て、ダイバーシティを起点に企業のマーケティングをサポートする株式会社Amplify Asiaを立ち上げる。2024年10月より、株式会社YUIDEAの社外CMOに就任。

 実務者が選ぶマーケティング本大賞の公式サイトでは、他にも参考となる本を紹介中です。よろしければWeb投票にもご参加ください。

開催概要

  • 名称:実務者が選ぶマーケティング本大賞2025
  • 投票期間:2025年6月24日(火)~2025年7月24日(木)
  • 対象書籍:マーケティング関連のビジネス書全般。出版社や刊行年は問わず、この1年を振り返っておすすめしたい書籍
    ※開催趣旨上、情報商材などの個人のビジネスでの活用を想定される書籍と判断されるものは、選考から除外
  • 選考方法:マーケターの方によるWebでの投票。特に投票の多かった1冊を大賞として発表、またそれに次いで得票が多い数冊を準大賞として発表
  • 主催 :株式会社翔泳社
  • 特別協力:マーケティング関連のWebメディアおよび業界団体、全国書店、電子書籍ストアなど

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この記事の著者

MarkeZine編集部(マーケジンヘンシュウブ)

デジタルを中心とした広告/マーケティングの最新動向を発信する専門メディアの編集部です。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2025/07/14 09:00 https://markezine.jp/article/detail/49477

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