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MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

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MarkeZine Day 2025 Autumn

マーケティング最新事例 2025

なぜ「メディキュット」がシニア市場へ? 着圧ソックスNo.1ブランドが仕掛ける「全世代攻略」の裏側

シニア層への訴求はどうする? 商品設計&販促戦略のポイント

MarkeZine:2025年秋冬からシニア市場へ本格参入されることも発表されました。シニア市場へ参入する狙い、また大きな可能性があると考える理由についてお聞かせください。

鈴木:消費者調査をする中で、シニア層の脚に関する最大の悩みは「筋力の低下」であることが明らかになりました。さらに、これまでのメインターゲットだった「脚のむくみに悩む女性」と、「脚の筋力低下に悩むシニア」の人口規模が、ほぼ同等だとわかったのです。

 しかし、シニア層では着圧ソックスを履く人は少なく、メディキュットも選ばれていない。市場として大きなポテンシャルがあると考えて、シニア領域への展開をスタートしました。

画像を説明するテキストなくても可

MarkeZine:シニア層向け製品の設計で、特に意識されているポイントはなんでしょうか。

鈴木:既にメディキュットを利用している少ないシニア層の方にインタビューを実施したところ、コットン配合などの「履き心地のよさ」を重視してメディキュットを選んでいることがわかりました。しかし、着圧ソックスを履いたことのない方の多くは「きつそう」「履きにくそう」といったネガティブなイメージを持っています。

 そこで、「きつそう、履きにくそう」という先入観を覆すため、履き心地と品質を徹底的に追求しました。具体的には、コットンを使用して肌触りのよさを実現したうえ、編み方を工夫することで「しっかり着圧されるのにきつすぎない」バランスを追求しました。通気性やストレッチ性にもこだわって開発しています。その結果、消費者への発売前のテストでも高い満足度をいただけました。

MarkeZine:シニア層へのマーケティングアプローチについては、どのような戦略を描いていますか?

鈴木:広告コミュニケーションでは「脚運びをラクに」というキャッチコピーを押し出しています。先述の通り、脚の筋力に不安を抱えているシニア層に対して「あなたに合った便益を提供します」と伝えるコミュニケーションを意識しました。パッケージには、若い女性向けというイメージを払拭するため、「60歳からの脚ケア(※)」とあえて年齢を明記しました。

60歳からの脚ケアシリーズ「メディキュット 颯爽と歩ける着圧ソックス」
シニア向け新シリーズ
(※)65歳以上の方は着用前後に異常がある場合、着用を中止し医師にご相談ください。

鈴木:そのほか、より詳しく商品の便益を伝えるために、テレビCMや店頭での訴求を実施する予定です。シニアの方に「自分向けの製品だ」と思ってもらえるような施策を考えています。

 さらに、シニア層に対しては店頭での訴求が重要になってくると考えています。店頭のサイネージや店内放送のほか、商品棚を変えるというチャレンジングな施策も検討中です。普段着圧ソックスを置いている棚ではなく、シニア層がよく立ち寄る棚にあえて商品を陳列し、認知を増やす狙いです。

カテゴリーの未来を創る。No.1ブランドの使命と覚悟

MarkeZine:最後に、今後のメディキュットブランドとしての中長期的な展望をお聞かせください。

岡部:レディースの商品に関しては、女性の「こうなりたい」という理想をかなえられるように、ユーザーが自分自身に最適な商品を手に取れるようなコミュニケーションを作っていきたいと思います。

 そして、ブランドパーパスにある通り、内側から美しく、健康的になっていってもらえたらと思っています。

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鈴木:メディキュットは「着圧ソックスカテゴリーのNo.1(※)ブランド」であるという自負があります。だからこそ、メディキュットが売れることは、着圧ソックスというカテゴリー全体の拡大につながると考えています。

 「メディキュットfor ALL」のコンセプトの通り、脚ケアが若年女性以外にとっても当たり前のカテゴリーになればと考えています。最近では男性にもスキンケアの習慣が浸透してきましたが、いまだに「脚ケア」の優先順位は低い。コミュニケーションをとらなければ忘れられてしまうので、これからも消費者との接点を継続的に作ることを大事にしていきたいです。

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※インテージSRI+調べ 着圧ソックス市場 全メディキュット累計販売金額(2019年1月~2025年8月)(日本)

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この記事の著者

岡田 果子(オカダ カコ)

IT系編集者、ライター。趣味・実用書の編集を経てWebメディアへ。その後キャリアインタビューなどのライティング業務を開始。執筆可能ジャンルは、開発手法・組織、プロダクト作り、教育ICT、その他ビジネス。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

福島 芽生(編集部)(フクシマ メイ)

MarkeZine副編集長。1993年生まれ、島根県出身。早稲田大学文学部を卒業後、書籍編集を経て翔泳社・MarkeZine編集部へ。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2025/09/18 09:00 https://markezine.jp/article/detail/49734

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