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MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

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MarkeZine Day 2025 Autumn

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森永乳業×東急ストアのID連携で実現へ!メーカーとリテールの枠を超えた、購買行動の可視化と効果検証

メーカーは精度の高い提案を、リテールは顧客の体験向上を実現

MZ:このデータ連携について、どのような意義があるとお考えですか。

長谷川(森永乳業):冒頭でも述べた通り、メーカーにとってリアル店舗での購買行動を把握することは本当に難しい課題でした。今回のデータ連携でそれが可能になる意義は計り知れません。

 従来からPOSデータは提供いただいていましたが、ID連携によってその価値がさらに高まることでしょう。顧客一人ひとりの購買パターンを追跡できることで、より精度の高い提案が可能になるとともに、得られた知見を営業活動に活かすことで商談の質も大きく向上すると期待しています。

山口(東急ストア):リテール側から見たデータ連携の意義は、大きく3つあると考えています。まず、来店・購買機会の拡大。メーカーの公式LINEアカウントには熱心なファンが集まっており、その方々を店舗に送客してもらうことで、新規顧客の獲得や特定商品の販売促進につながります。

 次に、購買データに基づく深い顧客理解です。メーカーのファンがどのような商品を併買しているか、どの店舗を利用しているかがわかることで、棚割りやクロスマーチャンダイジングなど効果的な売り場作りに活かせます。

 そして最も重要なのが、顧客体験価値の向上です。お客様の購買行動や興味に合った情報をタイムリーに配信することで、店舗でのスムーズな購買体験を実現できます。情報過多の時代に、本当に必要な情報を適切にお届けできることが、この仕組みの最大の価値だと感じています。

データコネクティングサービスが切り開く、さらなるアプローチ

MZ:最後に、今後の展望をお聞かせください。

長谷川(森永乳業):3つの点を考えています。1つ目は、小売店とメーカーがそれぞれ持つオウンドメディアから双方向でアプローチできるようになる点です。幅広い顧客層にリーチできる小売店のメディアと、コアファンを持つメーカーのメディアが連携することで、大きな相乗効果が生まれると期待しています。

 2つ目は、施策効果が明確に可視化されることで、従来の広告やプロモーションのあり方が大きく変わる可能性です。だからこそ早い段階から検証を重ね、知見を蓄積していくことが重要です。今回のデータコネクティングサービスの導入・活用は、当社のデータ活用における代表的な取り組みとして位置づけています。

 最後に、このサービスによってメーカー単独では接点を持てない顧客層にもアプローチできる点です。顧客の併買データを活用することで、売り場提案や品揃え提案など、より踏み込んだメーカーからの営業活動も可能になります。お客様の体験向上に貢献できる提案を行っていきたいですね。

山口(東急ストア):今回の取り組みはまだスタート段階ですが、将来的にはもっと大きな可能性があると見ています。まず、購買履歴や来店頻度に基づいたセグメント別の最適なコミュニケーションを実現したいです。複数のメーカーが参画することで、合同キャンペーンなど新しい仕掛けができる可能性も感じます。

 さらに、当社が推進しているリテールメディア戦略との統合も視野に入れています。店内サイネージなどの既存メディアと今回のようなデータ連携施策を組み合わせ、店舗・LINE・アプリなど複数のチャネルを横断した一気通貫の戦略が実現できるのではないでしょうか。お客様との接点をシームレスにつなげることで、より価値の高い購買体験を提供できると考えます。

片桐(グローリー):当社としてはデータコネクティングサービスを通じて、今後様々な新しい発見を生み出していきたいと考えています。

 まず、参画企業の拡大として、ドラッグストアなど参画いただくリテールを増やしていきます。たとえば、東急ストアの会員がドラッグストアでどのような買い物をしているか、逆にドラッグストアの会員が東急ストアでどう購買しているか可視化することで、顧客理解をより深められます。

 メーカー同士の連携も促進していきたいです。それぞれ異なる課題をお持ちかもしれませんが、情報交換することで「その施策は自社も試した」といった知見の共有が生まれ、課題解決のスピードも上がるでしょう。

 また、グローリーとしてはハードウェアメーカーを多くご支援する一方で、エンドユーザーとの直接的な接点は実はまだ強くありません。一方、駅のコインロッカーのような消費者との直接的な接点がある、高いシェアを持つハードウェアも存在します。こうした接点とデータを融合させることで、さらなるマーケティングの価値創造を目指していきたいです。

リテールメディアサミット2025登壇のお知らせ

グローリー株式会社は「リテールメディアサミット2025」に登壇いたします。
今回のセッションでは、当社が提供する新サービス「データコネクティングサービス」をテーマに、リテールとメーカーが真の共創を実現するためのデータ連携の可能性について、実例を交えてご紹介します。

  • 登壇日時:10月9日(木)11:15~11:30
  • 会場:ベルサール新宿グランド

リテールメディアサミット公式サイトよりお申し込みください。

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この記事の著者

太田 祐一(オオタ ユウイチ)

 日本大学芸術学部放送学科を中退後、脚本家を目指すも挫折。その後、住宅関係、金属関係の業界紙での新聞記者を経て、コロナ禍の2020年にフリーライターとして独立。現在は、IT関係を中心に様々な媒体で取材・記事執筆活動を行っています。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

提供:グローリー株式会社

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2025/09/29 11:30 https://markezine.jp/article/detail/49812

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