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MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

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MarkeZine Day 2026 Spring

マーケティング最新事例 2025(AD)

老舗シャンパーニュ メゾン「ペリエ ジュエ」が実践するCRM 体験設計~検証まで顧客とつながるO2O

接点作りと関係構築を実現する、2つの戦略とは

MZ:取り組みを支援された電通および電通デジタルにお聞きします。課題に対して、どのような戦略を立てたのでしょうか。

工藤:ペリエ ジュエの課題は、熱量の高い顧客との接点をどう生み出し、どう継続させるかにあると捉えました。カギとなるのはO2O(Online to Offline)のCRMの実現と考え、2つの戦略を掲げました。

 1つ目は「体験の場の統合」です。オンラインとオフラインを行き来しながら、統一した世界観を体験できる接点を多面的に作り、熱量の高い顧客とつながり続ける場の創出を目指しました。

 2つ目は「体験の時間軸の統合」です。イベント参加者は、2週間ほどでその記憶が薄れるという調査データもあり、せっかく上質な体験を提供しても、一過性で関係が終わってしまうのは非常にもったいないですよね。そこで、短期的にはイベント前・中・後をつなぎ、中長期では直近3ヵ年のイベント参加情報を線でつないでいき、継続的な体験として蓄積できる基盤作りに取り組みました。

株式会社電通 第6マーケティング局 CXコンサルティング1部マーケティングコンサルタント工藤亮氏
株式会社電通 第6マーケティング局 CXコンサルティング1部 マーケティングコンサルタント 工藤亮氏
電通のマーケティング局に所属し、企業やブランドの戦略設計から実装まで一気通貫でサポートする。本プロジェクトではLINEを通じた顧客体験全般の戦略設計や推進を担当。

データを“つながり”の資産へ──3年間で進化したCRM

MZ:LINEを軸としたデータ利活用の取り組みの詳細を教えてください。

共田:LINEを軸とした施策は、2023年に開始して2025年まで3年間にわたり、段階的に改善を重ねてきました。1年目は、まずポップアップイベントの来場者をデータで捕捉することから開始。最初に重要視したのは、顧客とつながり続けるためのデータ基盤の構築です。そのため、来場チェックイン機能を実装し、来場者をトラッキングできる仕組みを作りました。

 2年目は、1年目の取り組みを発展させ、LINE上でポップアップイベントの予約・決済・来場チェックインまでを一気通貫で行える仕組みへと拡張しました。これは決済完了と同時に自動的にマイ ペリエ ジュエの会員登録が行われる仕組みで、ポップアップイベントの参加が会員登録の増加につながるように設計しています。

 3年目である2025年は、イベント参加者のターゲットを広げる目的で、LINEの友だち数とマイ ペリエ ジュエ会員数の増加を目標に据えました。8月からプレゼントキャンペーンなどの新しい特典を追加し、10月開催のポップアップイベントに向けて集中的に施策を実施してきました。

株式会社電通デジタル ソーシャルエンゲージメントデザイン部門LINEプランニング部CXプロデューサー・グループマネージャー 共田光恵氏
株式会社電通デジタル ソーシャルエンゲージメントデザイン部門 LINEプランニング部
CXプロデューサー・グループマネージャー 共田光恵氏

ソーシャルメディア全般を扱う部門に所属。10年以上LINE領域に携わり、顧客体験の設計から開発まで担う。本プロジェクトでは戦略にともなうUI設計とシステム構築を行っている。

MZ:LINEを軸とした施策によってデータ管理方法はどう変わりましたか。

共田:以前はイベントごとにデータが存在・分散していたため、活用しきれていなかった側面がありました。LINEを活用することで、友だち情報とマイ ペリエ ジュエの会員情報を紐付け、統合的に分析できるようになりました。会員のロイヤルティを定量的に把握するためのダッシュボードも構築し、現在地を正確に確認しながら運用できる形になっています。

森川:誰がどのイベントに行き、何を何杯飲んだのか。シャンパーニュのヴィンテージごとに、詳細なトラッキングが可能となりましたね。

共田:加えて顧客自身も、飲んだシャンパーニュを「イベントダイアリー」としてLINE上で確認できます。自分だけの履歴として見返せるので、イベント体験がより自分ごと化されるのではないでしょうか。

 一連の取り組みは、マーケティング戦略を立案する戦略プランナーと、UI/UX設計からシステム開発まで担うプロデューサーが二人三脚で支援する体制を整えられたからこそ実現したと思います。電通グループの強みである各領域のエキスパートの連携で、戦略から実装まで一貫した支援が可能となっています。

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良質な体験設計から検証まで、PDCAを回せるデータ基盤を実現

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この記事の著者

太田 祐一(オオタ ユウイチ)

 日本大学芸術学部放送学科を中退後、脚本家を目指すも挫折。その後、住宅関係、金属関係の業界紙での新聞記者を経て、コロナ禍の2020年にフリーライターとして独立。現在は、IT関係を中心に様々な媒体で取材・記事執筆活動を行っています。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

提供:株式会社電通デジタル

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2025/12/12 11:00 https://markezine.jp/article/detail/50014

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