媒体・広告主・計測ツールの「三位一体」が理想
松下(AppsFlyer):メディア、広告主、計測ツールベンダーは三位一体で取り組むべきだと思います。当社は正しい情報を中立的に、細かい粒度で計測したデータを提供します。出稿先のメディアがそれを検証できる情報を持ち、それをもとに広告主が判断するというスキームの確立が理想です。

――三位一体で進めていくのが理想なのですね。実際に、そのような取り組みは可能でしょうか。
新井(AppsFlyer):特にクリエイティブ制作は、連携を深められる領域だと思います。クリエイティブの検証には時間がかかることが課題です。AppsFlyerはデータを一元管理できるので、各メディアを通してクリエイティブの効果を検証し、PDCAを高速で回せます。その情報を広告主にフィードバックしてより良いクリエイティブを作ってもらう、という取り組みができると思います。

――Unityでは、どのように広告主に情報を共有し、サポートしているのですか。
峯(Unity):キャンペーンやアプリ、クリエイティブごとに、かなり細かくパフォーマンスを把握できるレポートを提供しており、広告主が成果を正確に把握できるよう支援しています。また、社内のクリエイティブスタジオでは動画やプレイアブル広告の制作だけでなく、クリエイティブ、オーディエンス、競合分析などのデータやインサイトを提供しているほか、広告主自身がプレイアブル広告を制作できる独自ツールの「Unity Playworks」も提供しています。このエンドツーエンドのエコシステムにより、広告主はUnity環境内で迅速にテストし、学び、最適化を進めることができます。
AIも活用しながら、企業を強力サポート
――ここまで両社のお話をうかがいました。マーケターは今後、どのようにアプリ広告施策に取り組めば良いとお考えですか?そのサポートのためにUnityとAppsFlyerが取り組んでいることも含めて教えてください。
松下(AppsFlyer):シングルソース、つまり一つの集約されたデータをもとに、最適化や評価をするべきだと思います。正しい情報を一つのソースで見ていくことが重要です。そこから施策を設計したり試したりすることで、より効果的な運用が可能になります。当社はスピード感を持って、マーケティングの効率化をサポートします。
また、AI活用にも力を入れています。アドフラウド対策も、AIの有無による差が非常に大きいです。
新井(AppsFlyer):AIの導入によってアドフラウド検知の精度が7倍以上、検知のスピードも8倍になったというデータが出ています。それによって、抑止効果は14倍にも拡大します。
不正広告の検知だけでなく、様々なプロダクトの基盤でAIの搭載を進めています。あくまで最終的に意思決定を行うのは人であるべきですが、お客さまが求めるものを迅速に、最高の形で届けるために、AIにフルコミットして取り組みを進めています。
峯(Unity):CPIの高騰や市場環境の変化により、開発者はマネタイズ戦略を強化する必要があります。こうした市場の需要に対し、当社はゲームエンジンを提供する立場として、豊富な知見やデータを活かしたコンサルティングを提供しています。たとえば、アプリのデザインやUI/UXの改善による収益性向上のほか、課金と広告収益の双方を最大化するハイブリッドなマネタイズ戦略の導入や、アプリ内経済の構築など多岐にわたるサポートを提供しています。
また、今後はUnity Adsのユーザー獲得を支える中核となるAIモデル「Unity Vector」の拡張を進めていきます。Unityが「ゲーム開発」と「ユーザー成長」の両方を支える唯一の企業であるという圧倒的な強みを基盤に、「適切なプレイヤー」と「適切なモバイルゲーム」をつなぐよう設計されているのがVectorです。スケールとクオリティの両面を強化することで、競争が激化する市場においても、広告主の皆様が持続的にビジネスを成長させられるよう支援していきたいと思います。

