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COLUMN

企業に透明性が求められ「共感」が資産になる時代、企業はUGC(口コミ)とどう向き合うべきか?

世代・性別で異なる「信頼の情報源」

 UGCの影響力は世代や性別によって異なります。たとえば、前出の調査(企業の透明性に関する情報源)を、さらに「性別・世代別」に見ると、Z世代(18〜28歳)の女性はSNSの口コミを最も重視しており、68%が情報源として活用しています。

 一方、X世代(45〜60歳)の女性は商品やパッケージのラベルを重視する傾向が強く、42%が参照しています。

 男性の場合、Z世代はSNSの口コミが38%とトップ、次いでECサイトや動画のレビューを活用する一方で、年齢が上がるにつれて企業の公式サイトやラベル情報も参考にするようになる傾向が見られます(図2)。こうした違いは、世代ごとの価値観の差を反映しており、企業が情報発信を行う際に留意すべき点でしょう。

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【図2:日本:企業の透明性に関する情報源(性世代別)、2024年】
調査対象:18歳以上のインターネットユーザー2,000人(2024年11月)
出典:ミンテルジャパンレポート「エンパワーメントと透明性 – 2025年」
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Z世代に響くUGC──理由は「authenticity」という価値観

 前出のチャートからも、特に若年層がSNSの口コミを参照している様子がわかりますが、UGCが特に若年層に響く理由のひとつが、「authenticity(本物さ、自分らしさ)」という価値観です。

 Z世代は、脚色のないリアルな情報を重視し、企業のあからさまなセールスピッチには特に否定的です。彼らは企業やブランドに、自分たちに身近なコミュニケーションスタイルを通して、自分たちのニーズや価値観に理解を示してもらうことを望んでいます。

 この「親しみやすく真摯」という姿勢が、ブランドに求められる「authenticity」であり、ブランドが「authenticity」をもったコミュニケーションを消費者と行い、互いに信頼を確立するためにもUGCは鍵となります。

SNSへの肯定的な投稿に最も積極的な年代は?

 UGCは消費者との信頼関係の鍵となります。とはいえ、日本の消費者はUGCの“発信”に対して消極的な傾向があります。ミンテルの行った調査によると、「商品購入後に特に行動を起こさない」と答えた人は63%に上り(図3)、購入した商品が良かった場合に投稿する人はわずか10%。性別・世代別に見ると、SNSへの肯定的な投稿に最も積極的なのは、ミレニアル世代の女性ですが、それでも15%にとどまります(図4)。

画像を説明するテキストなくても可
【図3:日本:商品購入後の行動、2024年】
調査対象: 18歳以上のインターネットユーザー2,000人(2024年11月)
出典:ミンテルジャパンレポート「エンパワーメントと透明性 – 2025年」
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【図4:日本:商品購入後の行動(性世代別/抜粋)、2024年】
調査対象: 18歳以上のインターネットユーザー2,000人(2024年11月)
出典:ミンテルジャパンレポート「エンパワーメントと透明性 – 2025年」
※クリックすると拡大します

 この現実は、良い商品を提供しても日本ではUGCが自然発生しにくいことを示しています。企業はどのようにしたら、消費者に情報発信を行ってもらえるかを考え、施策を練る必要があります。

次のページ
自然なUGCを促す3つの創出術【事例紹介】

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この記事の著者

藤田 大輔(フジタ ダイスケ)

ミンテルジャパン カントリーマネージャー 10年以上にわたり市場調査業界に従事。ミンテルの保有する国内外の消費者インサイトと市場理解の知見を日本企業に提供し、国内での製品開発や海外市場への展開を支援。食品・飲料、化粧品、日用品など幅広い業界を対象に、企業の成長戦略を後押ししている。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2025/11/18 08:30 https://markezine.jp/article/detail/50108

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