米国に学ぶ:プログラマティック市場の成熟プロセス
──海外市場では、CTV広告の活用がどのように進んでいるのでしょうか。
久保田(マイクロアド):海外の状況を見ると、CTV広告の発祥である米国では広告在庫の増加によって、プログラマティック市場が急成長しています。代表的なニュースとしては、2024年1月にAmazon Prime Videoが広告事業に参入し、米国CTV市場に年間約500億のインプレッションが追加されました。eMarketerの調査では、2026年までに9つのストリーミングサービスが各10億ドル以上の広告収益を上げる見込みです。
このように広告在庫が急増したことで、米国では市場の競争が進み、結果としてCPMも適正化されていきました。この流れは日本でも既に始まっており、大手ストリーミングサービスの広告枠解放やFAST型サービスの増加で同様の市場成熟が進むと予測されます。個人的にも、CTVは2026年にかなり大きく伸びると想定しています。
拡大するCTV市場で“先行優位”をつかむチャンス
──今回CTV広告を獲得目的で活用されて、得られた示唆と今後の展望をお聞かせください。
五味(KLab):今回の取り組みで、CTV広告の獲得目的としての可能性を実感しました。グローバル展開に力を入れるためにも、今後もメニューの1つとして取り組んでいきたいです。
高橋(Adjust):今後は森下様や久保田様のように、CTV広告の価値を語れる広告代理店や媒体社の方々が増えることを期待しています。そうしたプレーヤーが増えれば、「認知+獲得」という新しい広告商品に対して、KLabのような先進的な広告主が積極的に予算投下する流れが広がると考えています。
久保田(マイクロアド):CTV広告でもモバイル同様にCPAなどの指標で運用できる段階に来ています。ぜひ広告主様には、市場の変化を捉え、いち早くPDCAを回して先行優位性を取っていただければと思います。
森下(HARS GLOBAL):現在の状況は、いわば「宝箱」のような機会が目の前にあるのに、多くの広告主が気づいていない状態です。
新規ユーザー獲得広告の置かれている状況は厳しく、ジャンルを問わずCPAが上昇しています。加えて、CTV広告で注目すべきはインプレッションの「質」の違いです。モバイルの「ながら見」に対し、複数人が視聴する(共視聴)CTV広告は、1impの実質的なリーチが異なります。海外では、CTV広告の1impあたりにより高い重み付けを設定している事例もあります。
そのため、CTV広告のような新しい媒体を織り交ぜて、媒体アロケーションを再定義していく取り組みに早めに着手することをお勧めします。

