ChatGPT広告の衝撃──AIとの対話に「説得」は介入できるか
AIが購買判断に関与する世界では、広告の役割も変化する。従来の広告は、検索結果やメディア上で表示され、視認性やクリック率を高めることが重視されてきた。しかし、AIは広告を「見る」存在ではない。広告や商品情報を評価し、推薦候補として適切かどうかを判断する。
ここで広告は「説得の手段」から「判断材料」へと性質を変える。ユーザー条件への適合度、信頼性、満足度への影響といった要素が重視され、単に露出するだけの広告は意味を持ちにくくなる。
こうした文脈で注目されるのが、OpenAIによるChatGPTの広告テストである。OpenAIは、米国の成人無料ユーザーおよび新設された月額8ドルの「ChatGPT Go」プランを対象に、広告・収益化を視野に入れたテストを開始すると発表した。
特徴的なのは、広告がAIの回答とは明確に分離された別枠で表示され、かつ関連性がある場合にのみ表示される点である。ユーザー体験の観点では、回答を読む行為と広告を見る行為が意図的に切り分けられている。
操作性も従来の広告体験とは異なる。ユーザーは広告を前提に行動するのではなく、対話の流れの中で補足情報として広告に接する。広告は会話の主役ではなく、必要な場合にだけ現れる選択肢の一つとなる。
ユーザーの反応は分かれている。「無料で使えるなら広告は許容できる」「関連性が高ければ便利だ」といった受容的な声がある一方で、「回答の信頼性が損なわれないか」「広告と情報の境界は守られるのか」といった懸念も見られる。この反応は、AI時代の広告が、ユーザー体験を損なわない形でのみ成立することを示している。
