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MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

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MarkeZine Day 2026 Autumn

アジャイルマーケターの挑戦(AD)

客単価・来店数ともに向上!日本KFCがBrazeと挑む顧客起点のCRM戦略

 日本ケンタッキー・フライド・チキン(以下、日本KFC)は2026年3月、ブランドスローガンを刷新し、「第二創業宣言」を発表した。これまでの“ハレの日”のブランドから、日常のさまざまなシーンで選ばれる「エブリデイブランド」への進化を掲げている。その変革の中核を担うのが、公式アプリをハブとしたデジタル戦略だ。日本KFCは顧客エンゲージメントプラットフォーム「Braze」を導入し、自社が保有する購買データに加え、気象データやライフスタイルデータなどの外部データも掛け合わせながら、顧客一人ひとりに最適化したコミュニケーションを推進している。さらに、パートナーであるメンバーズと並走体制を構築。リテンション強化、AIを活用した運用効率化など、具体的な成果を生み出している。なぜ日本KFCは今、大規模なリブランディングに踏み切ったのか。1,000万人規模の会員基盤を支えるデータ活用の実態とは。そして、AIとBrazeを活用した“真の顧客中心マーケティング”はどのように実現されているのか。日本KFCの平田氏、メンバーズの野中氏に、その変革の裏側を聞いた。

「特別な日から日常へ」新生KFCの第二創業──1,000万人規模の会員基盤を動かす戦略

━━日本KFCは2026年3月に「第二創業宣言」を発表され、大きなリブランディングを断行されました。その背景と、新たなスローガンに込められた想いをお聞かせください。

平田:日本KFCは2025年に創業55周年という大きな節目を迎えました。これまで多くのお客さまに支えられてきた中で、これから先も長く愛されるブランドであり続けるためには、守るべき価値を守りながら、時代に合わせて進化していく必要があると考えました。

 KFCらしい「おいしさ」へのこだわりを大切にしながら、商品、店舗体験、そしてお客さまとのつながり方まで含めて、ブランド全体を次の時代にふさわしい形へ進化させていく。その決意を込めて打ち出したのが、「第二創業宣言」です。

日本ケンタッキー・フライド・チキン デジタル戦略部 部長 平田 雄己氏
日本ケンタッキー・フライド・チキン デジタル戦略部 部長 平田 雄己氏

 そして、新たに掲げたブランドスローガンが「人生、ガブっといったもん勝ち」です。商品に思いっきりかぶりついた瞬間に生まれる、思わず笑顔がこぼれるようなしあわせや高揚感を、もっと日常の中へ広げていきたいという想いを込めています。

 このリブランディングを通じて、ケンタッキーを特別な日だけでなく、何気ない日常の中でも自然に選んでいただける「エブリデイブランド」へ進化させていきたいと考えています。

━━日本KFCは第二創業宣言の中で「メニューの拡大」「店舗体験の進化」「デジタル化の推進」という3つの戦略の柱を打ち出しています。メンバーズさまは主にデジタル領域を支援されているのでしょうか。

野中:メンバーズは、日本KFCさまのリブランディングをデジタルの側面から全面的に支援しています。現在、デジタル戦略部を含めメンバーズから約10名のスタッフが常駐しており、戦略立案から日々の施策運用までを一体となって推進しています。

 今回の第二創業宣言に向けたデジタル領域の変革でも、アプリ改修やCRMの高度化、店舗オペレーションとの連携にいたるまで、川上から川下まで一貫して議論を重ねながら形にしてきました。

平田:メンバーズの皆さまの守備範囲は本当に広く、この強固な伴走体制があったからこそ、今回の大きな方向転換をスピーディーに具現化できたと感じています。

日常に入り込む体験を。アプリをハブにしたデジタル戦略とBraze

━━リブランディングにおいて、アプリを戦略の「ハブ」に据えられました。デジタルが果たす役割の定義と、「Braze」を採用した決定的な理由を教えてください。

平田:私たちは、デジタルを単なる利便性向上の手段ではなく、お客さま一人ひとりとKFCとの関係を深め、日常の接点を広げていくための重要な基盤だと位置づけています。

 デジタルが担うべき領域は「日常に入り込んだ、一人ひとりのためだけの体験」です。食体験という生活の大きなパートをより充実させていくためには、パーソナライズされた情報や体験の提供が不可欠だと考えています。

 公式アプリを中心に、これまで蓄積してきた購買データに加え、ライフスタイルに関するさまざまなデータも活用しながら、お客さまそれぞれのニーズや利用シーンに寄り添ったコミュニケーションやサービスを提供しています。

 そして、Brazeを採用した決め手は大きく2つあります。1つは、お客さまのニーズに合わせてタイムリーにコミュニケーションを届けられる点。もう1つは、グローバル企業ならではの知見やベストプラクティスを、日本市場でも活用できる点です。

野中:現場で日々運用している担当者からも、BrazeのUI(ユーザーインターフェース)の使いやすさは非常に高く評価されています。専門的なプログラミング知識がなくても、直感的に操作できるのが大きな特徴です。

 1to1の細かなパーソナライズ設定を、何万人、何千万人という規模に対して行う場合、どうしても運用の負荷は高くなります。しかしBrazeであれば、設定画面がわかりやすく、スムーズに施策へ落とし込むことができます。

平田:UIの使いやすさは、単に「作業効率が上がる」という話ではありません。マーケティング運用における「ミスを減らす」という、本質的な価値にもつながっています。

 私たちの会員基盤は1000万人規模に達しているため、仮にメルマガやプッシュ通知で誤配信が起きれば、大きな混乱やご迷惑につながります。Brazeへ切り替えて以降は、視認性の高さや安全性の高い設計によって、運用ミスが大幅に減少しました。

なぜKFCがワイン専門店とコラボ?自社×外部データで導くインサイト

━━KFC独自のデータと、外部の「ライフスタイルデータ」を掛け合わせることで、どのような顧客体験の創出を目指しているのでしょうか。具体的なエピソードも交えて教えてください。

平田:お客さまの状態を深く理解しようとしたとき、購入履歴などのファーストパーティデータだけでは限界があります。年に数回しかKFCをご利用にならないお客さまについては、食生活全体を十分に把握することが難しいからです。

 そこで、KFC以外でのライフスタイルまで含めて分析することで、より気の利いたコミュニケーションが実現できると考えています。

野中:日本KFCさまの持つファーストパーティデータと、外部のサードパーティデータを掛け合わせて分析した結果、非常に興味深いインサイトが得られました。競合となる大手ファストフードチェーンと比較した際、KFCをよく利用されるお客さまは、「果実系(ぶどう・ワインなど)」のフレーバーを好む傾向が顕著に見られたのです。

 このデータの裏付けがあったからこそ、2025年~2026年にワイン専門店「エノテカ」さまとのコラボレーション施策を実現することができ、大きな反響につながりました。

メンバーズ 野中 優衣氏
メンバーズ 野中 優衣氏

平田:そのほかにも、気象データと連携し、天候に応じたリアルタイム施策も展開しています。例えば、雨の日にはデリバリー訴求のプッシュ通知を強化するといった運用です。

野中:生活に寄り添った場所、メディア、時間を選んだそれぞれの楽しみ方を訴求するコミュニケーションを届けることで、日常生活とKFCの距離をできるだけ近づけたいと考えています。自社データだけに閉じこもるのではなく、お客さまの日常データとKFCの接点を高度に結びつける。それによって、年に数回しか利用されないお客さまに対しても、生活の邪魔をしない最適なタイミングで情報を届ける1to1コミュニケーションを実現しています。

Brazeを最大活用する「3つの軸」とPDCAの高速化

━━最適なコミュニケーションとオファーを届けるために、Brazeをどのように運用されているのでしょうか。運用の工夫についてお聞かせください。

平田:Braze標準の機能群に加え、KFC独自のデータモデルやロジックを組み合わせて運用しています。一般的に、コミュニケーションの最適化を追求すると運用が複雑になりがちですが、Brazeは高度な要件であっても柔軟かつシンプルに実装できるため、現場にとって非常に扱いやすいツールです。

 具体的には、「①誰に(Who)」「②いつ(When)」「③何を(What)」という3つの軸で、お客さま一人ひとりへのオファーを最適化しています。

 「①誰に(ターゲットの最適化)」では、購買履歴やライフスタイルデータに加え、Braze標準搭載の予測モデルも活用しながら、精度の高いターゲティングを行っています。

 「②いつ(タイミングの最適化)」では、KFC独自の予測モデルとBrazeを連携させ、お客さまごとに最適なタイミングでオファーを配信しています。

 「③何を(コンテンツの最適化)」については、季節限定商品やキャンペーンが多いKFCならではの課題があります。そこで、社内のマーケティングカレンダーとBrazeのコンテンツ管理機能を連携させ、タイムリーな情報提供を可能にしました。

野中:Brazeは施策成果をリアルタイムで可視化できるため、高速にPDCAを回せる点も大きな強みです。これが高い成果につながっている要因の1つだと考えています。

平田:例えば、いつもは「オリジナルチキン」と「ビスケット」を購入されてるお客さまに対して、「期間限定チキンを1ピースだけ試してみませんか」と提案するなど、適切なクロスセル・アップセル施策も成果が出始めています。

野中:AIが定型業務やデータ処理を担い、人間は顧客戦略に集中する。BrazeとAIの活用によって、日本KFCさまとメンバーズが目指す「真の顧客中心マーケティング」が実現しつつあります。

チキンマイル再構築で目指す「継続的な絆」

━━リワードプログラム「チキンマイル」の刷新について教えてください。

平田:チキンマイルは長年親しまれてきたプログラムですが、年に一度ステージがリセットされる仕様になっていました。そのため、お客さまのロイヤリティと実際のステージが一致しないケースも生まれていました。

 そこで現在は、KFCを継続的にご利用いただくお客さまが、より高いステージを維持できるよう、サービス内容を再構築しています。購入を継続いただく限りステージを維持できるような、お客さま視点のプログラムへ転換を進めています。

野中:「継続的な絆」をつくる上でも、Brazeのシナリオ設計は非常に重要です。購買の直後やステージアップ時など、お客さまのエンゲージメントが高まる「モーメント」を逃さず、Brazeのリアルタイムトリガーを活用して限定クーポンなどを配信しています。

 単なる一斉配信ではなく、お客さまの行動に寄り添ったコミュニケーションを行うことで、次回来店を後押ししています。

売上・来店頻度・客単価が向上、背中を押すコミュニケーションの成果

━━データマーケティングの取り組みによって、どのような成果が生まれていますか。

平田:リブランディングによって目指す方向性が明確になり、それに紐づく顧客分析と施策が噛み合ってきたことで、お客さまとのコミュニケーションは格段に届くようになったと感じています。実際に、売上、来店頻度、客単価の向上が見られています。特に客単価の向上は、従来なかなか難しかった領域でしたので、お客さまからの評価につながっている実感があります。

野中:分析を進める中で、「どんなタイミングでKFCを思い出しているか」が見えてきました。従来は「想起回数を増やす」コミュニケーションが中心でしたが、現在は「思い出した瞬間に、違和感なく購入していただく」ことを重視しています。その結果、来店頻度やLTV向上につながっていると考えています。

 分かりやすく、購入まであと一歩の背中を押すようなコミュニケーションが実現できています。

「たった1日」でAIモデル構築。今後は予測と最適化をさらに高度化へ。

━━最後に今後の展望をお聞かせください。

野中:顧客体験の根幹にあるはずの実際のお客さまの声や店舗での接客は、定量化が難しく、飲食業界ではなかなか活用できていません。いつでもどこでも最適な食体験を再現するために、これらのデータやデジタルを活用していきたいと考えています。

 単にお得な情報や過去に食べたものの案内がくるだけではない、「KFCを想起する瞬間」に寄り添った体験は、スピードと生活密着度の高いデジタルだからこそ実現できるものです。日常に入り込んだデジタル接点を基軸に、ブランドからの一方的な提案ではなく、お客さまや従業員の声を正しく反映していくことで、しあわせな食体験を創出していきたいです。

平田:現在KFCでは、Brazeの「Predictive Churn(離脱予測モデル)」を活用し、休眠化を防ぐためのリテンション施策を進めています。本来、データを用いた予測モデリングには膨大な工数と時間が必要になりますが、Brazeではマーケター自身がGUI上で設定条件を行うだけで、自動的にAIモデルを構築できます。実際、KFCでは「わずか1日」でモデル構築を完了させることができました。今後は、こうしたAI活用をオファー最適化などの領域にも広げ、より高度で自然な顧客体験の実現を目指していきたいと考えています。

 今後とも、顧客戦略に基づいた真のオムニチャネル体験を展開していくと共に、購買体験だけではなく、Ownedチャネルの顧客コミュニケーションから広告媒体に至るまで、お客さまとKFCの接点を最適化していく事を目指していきたいと思います。「私のことをちゃんとわかってくれる」そんな街のレストランになれるよう、デジタルの面からも顧客とお店をつなぐ架け橋となれるように進化し続けます。

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この記事の著者

MarkeZine編集部(マーケジンヘンシュウブ)

デジタルを中心とした広告/マーケティングの最新動向を発信する専門メディアの編集部です。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

提供:Braze株式会社

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2026/06/10 11:00 https://markezine.jp/article/detail/50737