ポイント2:「想定導線への遷移率」をチェックしよう
サイト内で重視しているページは離脱数も離脱率も少ない、だから問題ないんだ! と言いたいところですが、もう一つチェックしたほうが良いポイントがあります。それは想定導線への遷移率です。
とある会社の事例を紹介しましょう。その会社の主要商材を説明する主たるコンテンツとして「商材概要」「価格」「ラインナップ」「強みや他社との違い」「事例」があり、それら全てを閲覧しているユーザーのコンバージョン率は高い状態でした。ただ課題として全てを閲覧しているユーザーの割合が低く、コンバージョン数が多くなかったのです。
実際のページを見ると、ナビゲーションやパンくずリストはちゃんとしている、デザイン的にも見やすいし、専門用語などが使われているわけでもなく、一見問題なさそう……ということでアクセス解析で分析してみたところ、ある課題が明らかになりました。
商材トップから「商材概要」や「価格」コンテンツへの遷移はスムーズだったのですが、例えば「商材概要」⇒「価格」と直接コンテンツ間を遷移するユーザーが極めて少なく、「商材概要」⇒「トップ」⇒「価格」とトップを基点として行ったり来たりしており、そのうちに離脱してしまう、そんなユーザー行動が見えてきたのです。

このようなデータの裏を取ったうえで改めて各ページを眺めてみると、ページが長く、下まで読んだときにはローカルナビゲーションは遥か彼方上のほう、わざわざページ上部に戻ってローカルナビゲーションをクリックしなさそうだよね、そんな状態でした。
そこまで課題が分かれば課題解決の対応方針は明確です。各ページ間の遷移をしやすくし、またユーザーに余計に考えさせないために次ページの提案をしたのです。たったこれだけのサイト改善を通じてコンバージョン率を大幅に向上させることができました。
この事例はページの離脱数と離脱率だけ見ても課題は分かりません。「想定どおり遷移してくれているか」、この視点を加えることで課題や対応方針はより明確になります。
今回の記事では、よいページとダメページの判断の仕方について説明しました。こういった分析は瑣末に思えるかもしれませんが、わずかな時間と工夫によってコンバージョンを増やすことができます。サイトのコンテンツ追加や広告にウン十万ウン百万使う前に、今あるコンテンツを是非有効活用してみてください。
