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ネット業界職業図鑑

ネット業界の「職種」の実態を調査せよ!
アマゾンジャパン独自のサービスを創る「テクニカルプログラムマネージャ」のお仕事とは?


 ネット業界の仕事といっても、どんなものなのか、何ができるのか、なかなか外部の人間にはわかりにくいもの。そこで、今をときめく「あの会社」で生き生きと働くキーマンを「職種」にクローズアップして紹介します。第4回目は、アマゾン ジャパン株式会社でテクニカルプログラムマネージャを務める緒方忍氏の登場です(この記事は、CAREERzineから一部を転載したものです)。

ミッション:日本顧客のニーズに応え、よりよいサービスの施策を実現する

 「インターネットで商品を購入する」という行為は、いまや日常ともいえる時代となった。そのオンラインショップの先駆者として、業界をリードしてきたアマゾン社。当初は書籍だけだった取り扱い品も、いまではゲームやスポーツ用品、家電など多岐に渡り、Amazonマーケットプレイスの運営も手がけるなど、着々とビジネスの幅を広げている。そして、世界に置く7拠点のうち、中国を除くアジア全域を統括する日本支社が「アマゾン ジャパン株式会社」である。 欧米とはまた異なる商習慣を持つ日本市場における成長の鍵は、米国の指針を踏襲しながらも、独自の施策を展開したことにあるといわれている。

 今回ご登場いただくのは、そうした新しいプロジェクトを担い、日本独自の施策を企画・実行する「テクニカルプログラムマネージャー」の緒方忍氏である。2008年夏には日本独自の施策である「商品のコンビニエンス受け取りサービス」や、注文した商品が翌日には届く「お急ぎ便」など、数々のプロジェクトを牽引し、リリースへと導いてきた。

 「主にサプライチェーン関連のシステムを担当しており、プロジェクトマネジメントが80%、その他に新サービスの企画・設計を行っています。具体的な案件としては『お急ぎ便』や『コンビニ受け取り』などのお客様から見えるサービス、そして物流などの最適化を目的としたバックエンドのシステムなどを手がけてきました。それぞれお客様側、社内側とシステム担当チームがあり、それを全体的に見渡して、円滑に実現できるかどうかを管理監督します。アマゾンでは『地球上で最も豊富なセレクション』『地球上で最もお客様を大切にする企業であること』をミッションに事業を進めており、これらの施策もその一環というわけです」

 こうした施策は主にユーザー側からの要望に応える形で実現することが多い。たとえば、『コンビニ受け取り』は1人暮らしや外出が多い家庭などにとって、確実に商品を受け取るために便利なシステムであり、要望も高かった。しかし、日本での独自性が強いものだけに、日本の生活環境を熟知していない本国との折衝には、さまざまな苦労があったという。

 「『コンビニ受け取り』のような大きな施策は、米国本社の確認を必要としていました。おおまかなポイントとしては、まず『サービスとして適当かどうか』そして『技術的に可能かどうか』の2点。技術的な折衝はもちろん大変ではあるのですが、その前にサービスの価値として理解してもらうことが必要で、それがなかなかにタフなのです。たとえば、米国と日本とではコンビニエンスストアの密度が異なりますし、サービスの内容も異なっています。文化的な背景から説明しなくてはなりません」

 文化や習慣の異なる人々に価値を理解してもらうこと。英語力はもとより、高度なコミュニケーション力が問われる場面といえるだろう。

 「本社近くに多いスターバックスの例などのたとえ話をしてみたり、絵を描いてみたり、言葉や表現を変えてみたり、いろんな工夫をしましたね。難しいところではありますが、それがなくては始まりませんから、もう必死にあの手この手を使います(笑)」

 そうした「要」となる役割は、アマゾン ジャパン社内においても同様である。まず、プロジェクトの目標が定まったら、「どんなものを創るか」という仕様を作成し、サプライチェーンやユーザーインターフェイスなど、それぞれの関連部署との調整を行いながらブラッシュアップしていく。

 「提携先のローソンや市川の物流センターなど、いろんなところにそれぞれの担当者とともに足を運び、話を煮詰めていきました。仕様が固まるまでは席に座っていることが多いのですが、プロジェクトが始まったら途端にあちらこちらに出歩くようになります。メールや電話がコミュニケーションとしてはメインですが、直接会って話すことで大きく進展することも多いですから」

 プロジェクトが潤滑にまわり、関係者全員が快適に仕事を進め、いよいよテストという瞬間にまず第一の喜びを感じるという。

 「みんなに感謝の気持ちがわいてきて、苦労したことなども一気に吹き飛びますね。テストを終え、サービスが稼働し始めると、ユーザーとして実際に使って確認します。何度もテストをしているはずなのですが、やっぱり実際のサービスを使うのはうれしいです」

 シンプルな「ものを創る喜び」と、その価値をユーザーと共有するのが何よりの醍醐味だという。そんな緒方氏の1日を覗いてみよう。(この続きはCAREERzineでどうぞ!)

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この記事の著者

「ネット業界職業図鑑」制作チーム(ネットショクギョウズカンセイサクチーム)

伊藤&五月女の男女ユニットで、ネット業界の様々なプロフェッショナルを紹介します。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2009/07/07 10:27 https://markezine.jp/article/detail/6260

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