知られざるマンガ家アシスタントの実態!
――それでははじめに、お名前と年齢を教えてください。
葛西りいち、25才です。マージャン好きでよくリーチするので「りいち」です(笑)。
――お仕事は何をされていますか?
プロのマンガ家を目指し、アシスタントの仕事を4年しています。と言っても第一線で活躍されているプロのアシスタントの方とは違い、業界の隅っこで活動しているレベルなので恐縮です。
――具体的にはどんな仕事内容なのでしょうか?
キャラクターの髪の毛などを黒く塗りつぶす「ベタ塗り」、影や効果を出すスクリーントーンを原稿に貼る「トーン貼り」、あとはバックの背景を描く「背景描き」などです。
――全く知らない世界なので勉強になります(笑)。背景描きはプレッシャーがかかりそうですね。
特に大きなコマは実力以上の画力が求められるので辛いですね。やりがいもありますけど。あと無口なマンガ家の先生は、背景の指示が「街」のひと言だけの場合もあって、職場の仲間と「どんな街だと思う!?」と相談して描くこともあります(笑)。
――え~! 先生が全て指示する訳ではないんですか。
細かく指示を出される先生もいますし、丸投げの方もいます(笑)。先生がキャラクターの下書きだけして、ペンで描くのはアシスタントという都市伝説のような話も実際にありました。でも、そういう先生が一番売れていたりするから不思議です(笑)。

――ははは。ところで労働時間はどのくらいですか?
私の場合は朝10時から夜10時までの12時間労働が多いですね。たまに徹夜をして朝の電車で帰ると、ラッシュ時のサラリーマンと遭遇することもあります。過酷ですねと言われますが、意外といけるものですよ(笑)。
――いやいや、ハードです(笑)。睡眠障害のエピソードは強烈でした。
徹夜もある不規則な生活を続けているので、睡眠薬を飲まないと眠りにくいですね。夜中に無意識に起きて親の部屋をぐるぐる歩き回ったり、ふと気がついたら冷蔵庫の前でカツサンドを食べていたこともありました(笑)。

――ははは……。ところで葛西さんの給料はどれくらいなんですか?