クルマ購入への「強い気持ち」は低下傾向
日本自動車工業会が2008年の6月から10月にかけて行った「2008年度乗用車市場動向調査」では、今後数年内に社会人となりクルマを購入し始める「現大学生(18~24歳の4年生大学・短大在学中の男女、2008年度現在)」を「エントリー世代」として分析を行っている。
エントリー世代のクルマの使い方をみると、親の車(共用車)を使う人が増え、家族と乗る機会が増えている。クルマの用途としては買い物が増え、余暇・通学が減少している。
「クルマ離れ」といわれるものの、実際にはクルマへの購入意向は以前と変わらず高い状況にある。しかし、購入への強い気持ちが低下しており、購入時期については「学生の間」「社会人になってすぐに」が減り、慎重な姿勢がみられた。
女性に高まるクルマへの関心
エントリー世代の特徴として、高額の商品を購入した経験が以前の大学生よりも少ない点があげられる。「無理せず自分のペースで暮らしたい」という価値観が強いほど高額消費が少ない傾向にあり、インターネットでクチコミなども含めた情報収集には熱心だが、実物の確認や店員からの説明を聞くなどの行動は減少傾向にある。
また、大都市に住む男性ではクルマの関心度・購入意向が低下しているものの、女性や地方居住者では関心度・購入意向ともに高く、以前の大学生と比べて同水準にある。これによって、男女間での関心度は以前の3分の1程度に縮まっている。
こうした意向がなかなかクルマの購入に結びつかないのが現状だが、昨今のハイブリッド車には、女性消費者も多く関心を寄せており、エントリー世代のライフスタイルの違いにマッチした商品開発やプロモーションが重要になりそうだ。
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