なぜ「ダイレクト」なのか
例を挙げましょう。Webマーケッターの方々が苦慮されている問題に、「Conversion(変換)が向上しない」ことがあると思います。
WebサイトでAcquisition(獲得)を掛けても最終的な購入率が上がらないのはよくある話。リスティング広告も同様で、クリックはされていても実際の売上に結び付かない…、こんなジレンマを、皆さんも経験されているのではないでしょうか。
広告マンにとってもっとも困る状況は、クライアントに「出稿した広告の効果を見せろ」と言われることです。
イメージ向上的なキャンペーンでお茶を濁せれば誰もがハッピーになれるはず。ところが企業の広告宣伝予算の縮小にともない、「結果を出す(ここでは購入率の向上)」ことがプロジェクト獲得の絶対条件になっているのが昨今の傾向ですから、何が何でも結果を出さなければならない。
しかもそれは目に見えるものでなければならない。そんなとき、検討していただきたいのが「結果が見えるマーケティング」=DRMなのです。
ところで、DRMが昨今のトレンドの中で決定的に古く見える理由は、「個人が情報を発信する発想がない」ということです。電通グループの提唱するAISAS理論では、二つの「S」がSearch(検索)とShare(共有)であることはご存知の通り。そしてDRMにはこの二つの要素がないのです。
Web 2.0的発想では、「個人が発信する情報に、シンパシーを感じる多数の人間が共有し合う」ことによって、新しいニーズが形成されることが前提となっています(例えばCGMなど)。ところがDRMはあくまで一対一の「ダイレクト」な関係であり、コミュニティ的な概念がありません。
対象を「個人」に絞ることによって不特定多数に訴求することを放棄し、直接的なやり取りで結果に直結させる…、この「割り切り」がDRMのキモなのです。
