再訪問・過去接触まで目を向けることでコンバージョン数を大きく伸ばす
BtoB向けの商材だったNECの事例に続いて、BtoCの企業でも非常に大きく成果を伸ばした事例をご紹介します。
ある大手のFX会社では、先ほどのユーザーの流れを線で捉えて、入り口と出口だけ見て、しっかりと改善していく、というのを愚直にやることでコンバージョン数を5倍にすることができました。先ほどの事例よりも若干高度な改善策を行っておりまして、再訪問を捉えてさらに成果をアップさせています。
入口と出口を線で捉えて、と言うとユーザーはサイトを訪れて1回のうちにコンバージョンするかどうかが決まると錯覚されてしまうかもしれません。ただ、実際はそんなことはなくて、複数回のサイト来訪・広告接触によってコンバージョンに至るケースがほとんどになります。ですから、複数回の接触まで目を向けることで、大きな成果につなげられる可能性があります。

それでは、再訪問を捉える3つのステップをご紹介させていただきます。
Step1 ユーザー行動のボリュームゾーンを把握
まず、ユーザーの行動パターンを洗い出します。どういう順番で接触しているか、Webサイトに何回接触して、どういう媒体に接触してコンバージョンに至るかと見ていきます。その中で1番ボリュームゾーンになっている接触パターンとは、どんなパターンなのかと明らかにするのがステップ1になります。

Step2 行動パターンからユーザーの心理を考える
ステップ2では、行動パターンの中で何が起こっているのか、ユーザーの心理を読み、それに合わせた施策を打つことで成果アップをねらいます。
具体的には、アフィリエイトサイトで初回接触してランディングページに至り、一度は離脱したものの、後から会社名の指名ワードでコンバージョンするパターンが1番多かったとします。このパターンは、あるFX会社で実際にあった例です。
アフィリエイトサイトは、ランキング形式で見せていることが非常に多いです。ですから、どのFX会社がよいか分からないユーザーがランキングを見て、メジャーな会社をいくつかピックアップして調べて、良さそうな会社に申し込むという行動を取っているんじゃないかと予測しました。
予測からどんな施策が打てるかというと、アフィリエイトサイトへの広告費をもっと投下してランキングサイト1位を取ることで、No.1サイトとしての認知を取り、コンバージョンアップをねらうというものが挙げられます。

Step3 すべての施策と成果をひも付けて評価する
ステップ3ではデータを見ます。コンバージョンに至った媒体だけでなく、今回はもう少し前の接触のところまでちゃんと見ましょう。
アフィリエイトの例で言うと、アフィリエイトへの広告費を増やすことで初回接触を増やすことを狙った施策になるので、コンバージョンに至ったユーザーの中でアフィリエイトサイトに初回接触しているユーザーが増えたか減ったかを見ていきます。

施策前よりも初回接触がアフィリエイトだったユーザーが増えれば成功したことになりますし、減れば失敗したことになります。失敗なら違う施策を考えて、どんどんPDCAを回していきましょう。
これまで、BtoB、BtoCの事例をそれぞれ紹介させていただきました。
本日の内容をまとめますと、まずユーザー行動を線で捉えて、入り口と出口を押さえてPDCAを回していくことがポイントです。そして、線で捉えることができるようになったら、起点をもっと過去にまで引き延ばして、過去の接触まで見て評価してみましょう。

広告×サイト一体型改善の肝はここにあります。本日のお話が皆さまの参考になれば幸いです。ありがとうございました。
【お知らせ】
ネット広告のROI向上をテーマとしたセミナーを4/22 14時からビービットが開催します。MarkeZine Day Spring 2010の来場者が選ぶベストセッションに輝いた同セッションを聞き逃した方はぜひお申し込みください!参加費無料/限定15名となりますので、お早目にどうぞ。セミナー申し込み