一長一短が現状
モバイルについてはそれぞれ一長一短あり、すべてのお客様に「これがお勧めです」と言えるものはありません。これも、「売る」際にはいろいろと物議をかもしだす点だったりします。そこで、私の経験を踏まえ、お客様のサイトがどの方式にマッチするか考えてみましょう。
Webビーコン方式
PCの場合は、JavaScriptが動くので、タグを一行追加するだけなのですが、モバイルの場合は、端末からのリクエストを受けてWebサーバがコンテンツを返すまでの間にどこかで、ビーコンを埋め込まなくてはいけません。まともなモバイルのアクセス解析ツールでは、一部キャリアの非公式サイトに対応するために、すべてのリンクにセッションIDを付加します。ここがデメリットになってしいます。
- お客様の意図しないところでコンテンツの容量が増加する。(ある程度は予測可能です)
- Webサーバにビーコン埋め込み用のモジュールをインストールする必要がある。
メリットとしては、
- 導入コストが低い。
- 導入作業は比較的簡単。(どのベンダーのものも、ApacheのDSOをインストールするのと同じ要領でインストールできます)
パケットキャプチャ方式
こちらは、お客様サイトの運用環境にパケットキャプチャサーバを設置する必要があります。よく「ミラーポートにケーブルを接続するだけで導入できます」などと言ったりしますが、私の経験では「え、ミラーポートなんかもう空いてないよ!」が第一声だったりしたこともあるのでなかなか現実は甘くないです。よって、このあたりがデメリットになります。
また、導入コストが高いこともデメリットです。パケットキャプチャサーバの二重化なども考えると、さらにコストはかさみます。逆に、メリットはダウンロードも問題なく計測できる点です。とくにモバイルサイトでは、ダウンロード系のコンテンツが多い!ので重宝します。
また、メリットではありませんが、大規模サイト向けです。これも私の経験ですが、Webビーコン方式の提案をさせていただいたお客様に「うち、Webサーバ500台あるんですけど大丈夫ですか」と言われたことがあるのですが、その場合は、一日2台インストールしても250営業日で、ざっと1年ちょい時間がかかってしまいます…。Webサーバにモジュールをインストールすることは現実的ではない場合もあります。