SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

直近開催のイベントはこちら!

MarkeZine Day 2025 Retail

モバイル・マーケティング・エッセンス

従来の常識を疑え!
効果的なモバイルSEOとは?

内部施策よりも外部リンクを早めにするべき

 SEOの主な対策はキーワード対策とリンク対策である。このうちリンクの対策において、PCでは良質な外部からのリンクを増やすことが重要といわれるが、モバイルにおいては長い間、外部リンクよりもサイト内部のリンク構造(内部リンク)を対策する方が効果的といわれてきた。

 だが門田氏はこれに異を唱えている。モバイルサイトは先に触れた通り、PCからのアクセスを徹底してブロックし、門を閉ざした状態であった。だが検索サービスの影響が大きくなったことで、検索エンジンのクローラーを受け入れるよう、そのブロックを徐々に外すようになってきている。

 モバイルサイトの多くは元々豊富なコンテンツを持っており、ブロックを外すだけでSEO的に大きな効果が上げられることが多いという。それゆえ、モバイルサイトのSEOを手がける多くの事業者は、このブロックを外すという段階で終わっていることが多いようなのだ。

 しかし多くのモバイルサイトがブロックを外すようになると、単にブロックを外しただけでは差はつきにくくなってくる。となると、検索エンジンが評価しているもう1つの軸となる外部からの評価、つまり外部リンクがSEOに大きく影響をもたらすようになると門田氏は話している。

 その外部リンクにおいて重要となるのは“期間”であるという。モバイルにおいては、外部リンクがなされている期間が長いほど評価が高くなる傾向が強く、内部施策を進めるよりも先に、外部リンクの対策を早めにしておくべきだとしている。

モバイルにおけるクローラーの変化や動向は?

 しかしながらリンク対策する上では、注意すべき点もあるようだ。その理由は、現在(2010年4月時点)、Googleのクローラーの動きが変化していることにあるという。Googleのモバイルサイト検索の動向を見ると、いくつかのWebサイトにおいて、日によってあまり変化がないものもあれば、順位が大きくアップダウンするものが出てきているというのだ。

 その要因は外部リンクにあるようだ。順位が大きく変化するサイトは、ディレクトリサイトやランキングサイトなどに多く登録し、あらゆるWebサイトから被リンクを受けているものだったという。

 この変化について門田氏は、モバイルの外部リンクにおいて、従来被リンク先の“数”を重視していたのが、PCと同様被リンク先の“質”を評価するようになってきたのではないかと分析している。現在、Googleが広告戦略を進めるなどしてシェアを拡大させてきており、より一般化を進めるため、評価基準をPCに近づけていると考えられ、単にリンクを増やすだけでは順位向上が望めなくなりつつあるというのだ。

 またクローラーそのものにも変化が出てきている。モバイルサイトにおいては、GoogleとYahoo!だけでなく、NTTドコモが独自のクローラーを巡回させているというのだ。事実、NTTドコモは4月30日検索サービスのリニューアルを実施し、PCサイト検索は従来同様Googleのエンジンを使用するが、モバイルサイトの検索は新たにgooの検索エンジンを使用するよう変化し、そのクローラーが巡回を始めているという。最大手であるNTTドコモの変化は、SEOにおいても大きく影響してくる可能性が高い。

 そしてもう1つ、一般にPC・モバイル双方のクローラーは独立していて、互いの結果に影響を与えないと言われているが、実際は影響を与える部分があるという。例えば、1つのURLで、振り分けなどしてPC・モバイルの両方に対応させているWebサイトの場合。ここにモバイルのみのSEOを施すと、モバイルだけでなくPCのクローラーもその変化を感知し、PC・モバイル双方のサイトに影響を与えるというのだ(下図参照)。

 こうしたことから、双方に対応したWebサイトを運営する場合は、PC・モバイル両方への対応を考慮した施策が必要になってくるという。

PC・モバイル両対応のWebサイトに対し、モバイルサイト分のみSEOを施した場合における、双方の検索順位変動(Googleの場合)
PC・モバイル両対応のWebサイトに対し、モバイルサイト分のみSEOを施した場合における、双方の検索順位変動(Googleの場合)

次のページ
モバイルでは最初からキーワードを絞り込む

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • Pocket
  • note
モバイル・マーケティング・エッセンス連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

佐野 正弘(サノ マサヒロ)

エンジニアとしてゲームや携帯コンテンツなどの開発を手がけた後、携帯電話・モバイル専門のライターへと転身。若者のケータイ文化からスマートフォンまで、携帯電話に関する多くの著書を手がけるほか、講演やテレビ等へのコメント等も行っている。近著に「Touch Diamond&Touch Pro 入門ガイド」(翔泳社)「ケータイで稼ぐアフィリエイト 最新情報版」(技術評論社)など。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

MarkeZine(マーケジン)
2010/06/11 10:00 https://markezine.jp/article/detail/10317

Special Contents

PR

Job Board

PR

おすすめ

イベント

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング