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MarkeZine Day 2010レポート

ガイドライン策定し、ソーシャルメディア対策も万全
最前線を走るベネッセのネットマーケティング戦略の全貌

ベネッセの「トリプルメディア」戦略

 続いて、ベネッセのトリプルメディア戦略についてが紹介された。トリプルメディアとは、次の3つのメディアを指している。

  1. 他社メディア
  2. 自社メディア
  3. ソーシャルメディア

 他社メディアでは各媒体への露出に年間数十億円程度のプロモーション費用をかけ、パフォーマンスを毎年30%以上向上させている。自社メディアは前述のとおり多彩だ。ソーシャルメディアではモバゲーなどの各媒体を活用してきたが、今後は顧客中心のメディアとしてどう活用していくかが焦点となる。

 その意味で、前述のウィメンズパークは、ベネッセが場を提供し、顧客がつながっていき、自然にコミュニケーションするという自社型のソーシャルメディア確立の成功事例と見ることができる。また、各段階で発生する課題解決にも貪欲に取り組んでいる。課題を70万件のキーワードに落とし、検索からの流入を重視するなどさまざまな工夫を凝らす。

 また、自社メディアだけで対応できないと判断すれば、フレキシブルにさまざまな企業とアライアンスも組む。例えば、カゴメとは食育分野で手を結び、親子で作るニコニコレシピを提供するなどの取り組みも行っている。

 一方、ウィメンズパークなどのソーシャルメディアを安全な場として提供するためには、お金と時間をかけたさまざまな策が施されている。例えば、書き込みの全件チェック、プロフィールの半分公開、はがきを送っての本人確認など念入りだ。また、各ソーシャルメディアが、どういう顧客にどんなベネフィットを提供するための場なのか、という継続的検証を欠かさない。まるで生き物のように管理しているのだ。

 さらに、前述のCal-fee立ち上げの際には、認知を得るための手法は何か、メジャー感を出すにはどうするか、きちんと使ってもらうためには何が必要か、などをじっくり考えながらプロモーション施策を作成していったという。また、単なる机上の空論ではなく、実際にターゲット層に参加してもらい、生の意見からサービスを生み出すことも行っているという。プロモーションでは、ターゲット世代に人気の雑誌、ブログ、各種イベントへの参画、適切なタレントによる宣伝手法など、トリプルメディアを巧みに活用し積極的に仕掛けていく。

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ソーシャルメディアのガイドライン策定に成功

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この記事の著者

高澤 里美(タカサワ サトミ)

外資系IT調査会社での調査・分析、半導体産業新聞記者などIT関連分野で幅広く十数年の経験を積んだ後、フリーライターとして始動。IT分野を中心に、各種執筆活動を継続中。最近では、各種記事・原稿執筆に加え、IT関連企業各社のプレスリリース、ニュースレター、広報誌なども手掛ける。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2010/11/11 11:00 https://markezine.jp/article/detail/12352

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