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Adobe Omniture Summit 2011総力レポート

コンテンツ管理からWebエクスペリエンス管理へ
異なる分野が統合されるのは時代の必然


(2)Adobe SiteCatalystやAdobe Test&Targetのタグを自動出力

 ページをグラフィカルにプレビューしながら、Adobe Test&Targetで切り替えるエリア(MBox)の指定ができる。CS5のFlashやDreamweaverとAdobe Test&Targetとの統合に近いことを、Webブラウザのみで可能にしたのだ。

図4
図4

 Adobe SiteCatalystの自動計測も可能だ。単純に解析用タグを各ページのHTMLに自動挿入するのではない。設定ダイアログで指定した各種設定に基づいて、ユーザーがページを閲覧した時にAPI経由で変数がAdobe SiteCatalystサーバーへ送信されるのだ。つまり、ビーコン型のアクセス解析ではなくなる。

 スタッフが編集やレビューの作業中にページビューが無駄に増えてしまったり、ビーコン画像がロードされる前に次のページに遷移してしまい計測漏れが発生する、ということがなくなるため、計測の精度が高まる。

図5

(3) ターゲティングを可能にするContextCloud

 前出の図1の「WCM」下部にある「Targeting」部分で重要な役割を果たすのが「ContextCloud」だ。

 CMS配下のページ上でのユーザー行動データ(流入元、検索キーワード、ブラウザバージョン、閲覧履歴、フォーム入力内容など)やデモグラフィック属性を統合してセグメントを作成でき、さらにその結果をターゲティングに利用できる。

図6

 また、この機能をOmnitureスイートと連携させ、Adobe SiteCatalystのカスタム変数に値をセットしたり、Adobe Test&TargetのターゲティングやA/Bテストの条件として活用できる。

まとめ

 このように、CQ5はCMSやECMという領域を超えて、優れた個客体験を提供するためのプラットフォームに進化したのだ。

 実は、CMSからWebエクスペリエンス管理への転換は、2009年あたりからのトレンドであり、FatWireとEMCを筆頭にVignetteやOpen Text、Sitecoreなどがこの方向性を打ち出していた。アドビ システムズも少し遅れて、ようやく動き出した。

 PhotoshopやDreamweaverなどのデスクトップ分野とOmnitureスイートとの連携というメリットを生かして、どこまで展開できるのか? 日本での発売は未定だが、今後の動向が注目に値するのは間違いない。

 なお、CQの意味について質問したところ、コミュニケーションの意味だという。コンテンツを単に管理するのではなく、企業と個客の間のコミュニケーションを促進する、という製品の哲学を反映しているのだろう。

 筆者も数年前まではCMSのエバンジェリストとして活動していたのだが、ここ数年間はマーケティング分野におけるWebアナリティクス・最適化の分野を模索・実践している。これらの異なる分野が統合されつつあるのは時代の流れであって、必然性がある。感慨深い思いに浸りつつ、会場を後にした。

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この記事の著者

清水 誠(シミズ マコト)

Webアナリスト/改善リーダー。

1995~2004年まで凸版印刷・Scient・RazorfishにてWebコンサルティングやIA・UI設計に従事した後、事業会社側へ転身。UX/IAやデジタルマーケティングの導入による社内プロセス改善の推進と事例化を行っている。ウェブクルーでは開発・運用プロセスを改善し上場を支援、日本アムウェイでは印刷物のデジタルワークフローとCMS・PIMを導入、楽天では...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2011/04/13 15:10 https://markezine.jp/article/detail/13581

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