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MarkeZine Day 2011 Springレポート(PR)

ケーススタディで学ぶ、最先端のアクセス解析
リアルタイム×ペルソナ分析でトレンドを掴め

 3月8日ベルサール神田にて、多くのマーケティング担当者が集うMarkeZine Day 2011 Springが開催された。ソーシャルメディアを介したコミュニケーションが活発化するにつれ、これまで以上に速いスピードで、アクセス解析から始まるサイト運営のPDCAを回す必然性に迫られている。そのような中、「マーケティング担当者が知っておくべき5つのアクセス解析トレンド」と題して、講演が行われた。(バックナンバーはこちら)

話題のベンチャーが最新トレンドについて紹介

 本講演の前半は、株式会社ユーザーローカル コーポレートセールス ディレクター 渡邊和行 氏によって、アクセス解析を行う際に、企業のマーケティング担当者が直面しやすい、課題の対応策についてのノウハウが披露された。

株式会社ユーザーローカル コーポレートセールス ディレクター 渡邊和行 氏
株式会社ユーザーローカル コーポレートセールス ディレクター 渡邊和行 氏

 早稲田大学内のアクセス解析専業ベンチャーである、ユーザーローカル社は、「なかのひと」「うごくひと2」「TwiTraq」など、様々なアクセス解析ツールを提供しているが、今回はその中でも、多数の大手企業が導入しているPC向けアクセス解析ツール「User Insight」を使った、最新のアクセス解析トレンドについて紹介していく。

 後半は、User Insightを実際に利用しているキラメックス株式会社 村田雅行氏から、フラッシュマーケティングサイトにおけるアクセス解析事例についての知見が語られた。

数字だけではないアクセス解析ツール『User Insight』

 User Insightは、月間50億ページビューのデータを解析しているアクセス解析ツールで、主に3つの特徴を持つ。

ヒートマップ解析

 ユーザーから多くクリックされている場所はどこか?どこまで読まれているか?など、ブラウザの挙動からユーザーの動きを可視化

属性解析

 企業名/学校名・年齢分布・男女比・業界・都道府県の比率・初心者/上級者といった、ペルソナ分析ができる

ソーシャルメディア解析

 Twitter・Facebook・mixiのソーシャルメディア経由の流入について、高度な分析が可能

アクセス解析の結果を社内でうまく説得するには?

「社内政治を使うな、データを使え」(Google副社長 マリッサ・メイヤー)・「ファクト・ベースの意思決定がいちばんだ。いちばん若い下っ端の人間が、上の者を議論で打ち負かしてしまうことができる」(Amazon CEO ジェフ・ベゾス) 

 Webマーケティングで成功しているGoogle・Amazonという大手2社の幹部が残した言葉を引用した渡邊氏は、「これらの言葉は、成功した企業ほどデータを重視しており、アクセス解析の重要性を物語っている」と説いた。そのことを実証すべく、会場に向けて、2つの質問を投げかけた。読者の諸氏も、ご一緒にお考えいただきたい。

Q.売上を伸ばすために、100万円の予算でどちらを選びますか?

前提
  • 月間ユニークユーザー数 3万人
  • コンバージョン率 2%
  • 平均購入単価 1%   
  • サイト運営固定費 400万円
  • マーケティング費 100万円
  • 売上 600万円/利益 100万円

 この問題について考える際、現場のマーケティング担当者であれば、広告媒体を選定して効果を予測したり、現状のサイトを分析して細かい数字の推移を追ったりするのではないだろうか。しかし、もっと単純な計算でこの答えは導き出せる、と渡邊氏は解説する。

講演資料より掲載(以下、同)
講演資料より掲載(以下、同)

 ケースAの場合、変化するのは流入数だ。一方、ケースBの場合は、コンバージョン率が変化する。要は、40,000人の2%と30,000人の3%では、コンバージョン数に100の差が生まれるということだ。

 その結果、同じ100万円を投入しても、ケースAでは+100万円、ケースBでは+200万円の差が生まれることになる。しかし、Webマーケティングにあまり造詣が深くない上層に対して、このグラフを見せずに同じ問いを投げかけたら、10,000人増というインパクトや、広告という目に見えて理解しやすい施策に対し、ポジティブに受け止められそうだが、コストというイメージの強いサイトの改善を提案しても、『たった1%のために100万も使うのか?』という、漠然としたネガティブなイメージを持たれてしまう危険はないだろうか。

 逆を言えば、ボタンの色や配置などといった、サイト内の細かい調整に対して、上層から大きな意味を感じてもらえる担当者は、幸せ者だ。

 「売上=流入×コンバージョン数という、簡単な図式を忘れてはいけない。マーケティング担当者は細かい数字に目を奪われがちだが、重要なのは、その施策をすることによって、どの変数に響くのか、ということである。コンバージョン率がすべてだ、と言っているのではない。上層にコンセンサスをもらうには、金額ベースで話をするのが、最短距離だ」と、渡邊氏。この点に注意すれば、施策を提案する際に、上層と話がかみ合わなくて、思うように進まないといったトラブルも回避できそうだ。

ソーシャルメディア、どれに対応すべきか?

 Twitterアカウントを持つべきか、Facebookページを開設すべきか、で悩んでいるマーケティング担当者は、多いのではないだろうか。

 ソーシャルメディアは運用に手間がかかるため、やみくもに始めてしまうのは憚られる。実際にソーシャルメディアの運用を始めたら、どんな効果測定の方法があるのだろうか。

Twitterマーケティング

 基本は、Twitterからサイトへの流入数を計測するには、パラメーターに任意のパラメーターを付与したURLを利用する。(User Insightの場合は、uiaid=任意の文字列)

 bit.lyやHootSuiteなど、短縮URLサービスの中には、クリック数解析機能が付いているものもあるので、活用すると良いだろう。そしてサイト内へ流入した後は、これまでと同様のサイト内分析を行えば完璧だ。

 また、Twitterマーケティングで忘れてはいけないのが、キーワード分析だ。

 この画像はユーザーローカル社の無料ツールTwiTraqのものだが、自社製品や競合製品について、PCからのアクセスだけでも1200万人以上いるTwitterユーザーが、どのようにつぶやいているのか、を知ることができる。合わせてペルソナ分析をしてみると、意外と気付かなかったターゲットが見えてくるかもしれない。

Facebookマーケティング

 Facebookでは、企業が活用しやすいFacebookページ(旧ファンページ)という、個別ページを持つことができる。

 このページを作成すると、誰でも簡単にスポンサー広告を出稿できるようになる。イメージとしては、Adwordsやスポンサードサーチなどのリスティング広告と同じなのだが、マーケティングに活用できるポイントとして、非常に細かいターゲティングを行える点が挙げられる。

 Facebookは基本的に実名登録であり、さらに自分の出身校や勤めている企業、交際ステータスなど、多くのパーソナルな情報がつまっている。この情報を活かして、細かくターゲティングしていけば、少ない予算で、確度の高い広告出稿を行うことができるのだ。自社でFacebookページを作ったら、まずは「いいね!」を集めるためにも、広告出稿を試してみることをオススメする。

 このようにマーケティングツールとして魅力的なFacebookだが、月間3億PVのアクセス解析を行うユーザーローカル社のブログパーツ、なかのひとによると、Twitter・Facebook・mixiからの流入は、90.8%をTwitterが占めており、Facebookはわずか2.8%に過ぎない、という。

 しかし、Facebookのユーザー数は、今年に入って大幅に増加している最中で、先月の数字では600万人の大台を超えた。まだまだこれから伸びることが予測され、早めにコツを掴んでおいても、損はないだろう。

効果的なペルソナ分析による成功事例

 ここから、サイト解析を行うことで媒体価値の見直しや向上を実現できた例を紹介しよう。

Twitterで新規ユーザーにリーチできた例

 ダイヤモンドオンラインでは、Twitter経由と通常ユーザーのヒートマップを比較したところ、Twitter経由のユーザーの方が下まで読まれていることがわかった。ペルソナ分析を見ても、読者全体とTwitter経由では、ユーザー層が全く異なっていたようだ。Twitterを活用して、これまでリーチできていなかった層にアプローチできたことが立証されたという。

属性データを使って売上を伸ばした例

 かわいい女性が時刻を伝えてくれる人気サイト美人時計は、予想通り、男性のユーザーが多かったが、派生サイトである女性向けを想定して作られた美男時計もペルソナ分析を行ったところ、意外と男性の割合が7割近くもあることが分かった。自社の媒体価値を知ることで、これらのデータを武器に、大手企業とのタイアップ企画を展開したようだ。

コミュニケーションのリアルタイム化が与えるビジネスへの影響とは

 最後に、キラメックス株式会社の村田氏によって、User Insightの利用イメージが紹介された。キラメックス社はKAUPONという、日本で2番目に始まったフラッシュマーケティングのクーポンサイトである。2010年5月にリリースされ、全国10都市で展開している。

キラメックス株式会社 代表取締役 村田 雅行 氏

 KAUPONのような共同購入型クーポンサイトでは、1つの商品につき、通常1日程度の販売時間の制限があり、また一定数の購入者がいないと成立しない仕組みとなっている。

 したがって、必然的に、TwitterやFacebookでユーザーの手による拡散力を使って、短時間で多数のトラフィックをサイトへ集める施策を打たないといけない。また、機能改善・流入施策・サイトディレクション・広告効果測定など、PDCAの回転を上げて、サイトの更新もスピーディーに行うことが重要となってくる。

 「これを日々続けるためには、ファクトベースでの仮説を立てて、効率良くリアルタイムアップデートを行わなければならない。それで選んだのがUser Insightだった」。村田氏はその後、User Insightのデモを行い、聴講者に対して、リアルタイムでのアクセス解析を実践してみせた。

 適切なツールを使って、アクセス解析の回転率を上げることは、時間的にも、コスト的にも、効率が良い。売上が増加したときの利益率も上がり、一石三鳥と言えそうだ。

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この記事の著者

野本 纏花(ノモト マドカ)

1983年生まれ。成蹊大学経済学部卒業。大学卒業後、大手IT企業にてレンタルサーバーサービスのマーケティングを担当。その後、モバイル系ベンチャーにてマーケティング・プロダクトマネージャーを務める傍ら、ライター業を開始。旅行関連企業のソーシャルメディアマーケターを経て、2011年1月Writing&a...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2011/07/11 20:35 https://markezine.jp/article/detail/13609