SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

直近開催のイベントはこちら!

MarkeZine Day 2025 Retail

四家正紀のネオコミュニケーション遊談

RollingStonesライブで確信!結果、10年続くビジネスモデルになりました


RollingStonesライブでネットの可能性を確信

古株
そうそう。だから、J-Stream作った原点はとにかく、モザイクで見て、スタティックなコンテンツがカラーで同時に扱えるのを、目の当たりにしたこと。だって、デジタルデータだから、異なるフォーマットも同時に扱えるでしょ。アナログのレコードには音しか入らないけど、CDには音と写真とかいれられるじゃん。デジタルはコンテンツのフォーマットが異なってても、一緒に扱えるのがすごいよ。
四家
ああ。わかりやすいですね。実際CD-ROMとか「マルチメディア」が脚光を浴びていた時期だし。
古株
そうそう。でも、CD-ROMはもうチョッと前だよ。80年代の終わりじゃない? 286マシンでも動いてような。
四家
CD-ROMのマルチメディアっぽいコンテンツが流行ったのはMacのLC520がでたあたりかなと。Windowsはまだ3.1でしたね。
古株
じゃあ、93年ごろだね。コンパック使ってましたからね。
四家
当時、強かったですね。
古株
で、話を戻すと、ネットでテレビとラジオをやるにはどうしたらよいかってことを調べまくって。コンテンツのタイプが、時間軸によって内容が変化するというのが一番大きくて。当時は、ものすごーく小さい動画もUPされてたんだけど、全てダウンロードしてから見る。
四家
でしょうね。
古株
タイトルにだまされて10分ほどDLして、再生すると、だまされた、と思うわけですよ。「ちぇ」とね。音声ファイルもそうだった。
四家
あはは。
古株
画像のクオリティは、10Kbpsのビットレートぐらい。
四家
それでもびっくりしましたけどね。
古株
そうなのよねー。で、そうこうするうちに、RealAudio1.0が登場。インターネットマガジンが大々的に取り上げて、RollingStonesのコンサートを全世界中継とか書くわけです。
四家
ありましたねー。最初はReal「Audio」。
古株
そうそう、書き方は、それ。
四家
全世界中継といっても同時接続いくつだよと(笑)。
古株
同時接続は、そうだよねぇー。言えないだろうねぇ。で、ノイズだらけというか高圧線鉄塔の下で聞くAMラジオみたいな雑音の中から、かすかに音がしてるのかよくわかんないけど、とにかく RollingStonesの音がしているという風に暗示にかかりつつ、聞いたわけです。あの時プレイヤーどうなってたんだろうなぁ。バッファリングとか表示してなかったような。
四家
僕も当時勤めていた会社のMacで体験しました。なんだかわからなかった。
古株
でしょ。ノイズは聞こえたけどね。
四家
バッファリングなかったのか「ぶつ、ぶつ、ぶつ」って感じでしたね。イマジネーションでそのノイズの間を埋める。
古株
そうそう。で、それをみて、こりゃーやっぱりネットはいきなり急激に進歩すると確信して。
四家
はい。

Streamingという技術への気づき

古株
時間軸の関係するコンテンツを、ズーっと送り続けるには、Streamingという技術があるというのを教えてもらいました。ダウンロードしながら再生、というのがスゲーと思った。
四家
ダウンロードしながら再生…なるほど。教えてもらったというのは、それは海外の技術者とか?
古株
当時のNovellの技術者ですね。自分のイメージでは、水道の蛇口からバケツに水入れて、ある程度水がたまったらバケツの下に新しい蛇口つけて、そこから水飲む、みたいなイメージでした。
四家
なるほど。バケツが端末のバッファですね。
古株
そうそう。で、これやるには、とにかくバケツがバッファリングしてくれるとしても常に上の蛇口、つまりサーバー側は開き続けていないとダメなので、帯域保障、という言葉を見つけて、これって、番組が終わるまでFTPし続けることなのね、と理解しました。
四家
もう、ひとつひとつが発見ですね。
古株
そうなのよ。文系だし。とにかく、見たい動画コンテンツのあるサーバにストロー差し込んで、コンテンツを吸うわけだけど、ストローが途中で細くなったり、詰まると見えないわけ。とにかくストローの中を空洞にするというか、帯域保障が肝だと。
四家
ストローの穴の大きさを維持する。詰まらせない。
古株
そうそうで、これをやるには、やっぱりセン(回線)もってるところと組むしかないんじゃないの。というような話を当時のトランスコスモスの奥田さん(奥田昌孝氏、現在は代表取締役社長兼COO)とかと話をしてて。
四家
やはりそういう話になりますよね。
古株
当時トランスコスモスはネット系というかPC系の仕事を今の奥田さんが当時若かったので、どんどんやり始めていた頃で。
四家
どんどん会社が立ち上がりましたね。
古株
USのRealNetworks(当時、ProgressiveNetworks)にインプレスと同じく出資してました。なので、ソフトは最初Realでした。
四家
なるほど。
古株
センは、日本はなんと言っても当時は分割前のNTT。
四家
分割前!
古株
あと、インターネットは国際的なので、海外といえばDDIと合併する前のKDD。
四家
あ、KDDという社名が懐かしい…。

次のページ
毎日毎日、事業計画書を書く日々

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • Pocket
  • note
四家正紀のネオコミュニケーション遊談連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

四家 正紀(シケ マサノリ)

株式会社カレン次世代ビジネスリサーチ室長。インターネット広告の草創期からWebマーケティングに携わり、現在はカレンにて次世代販促コミュニケーションについての研究活動と、ブログマーケティング・ブロガーリレーションズ案件のプロデューサーとして活躍。寄稿、講演多数。 ブログ カレン次世代ビジネスリサーチ室ブログ

著書

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

MarkeZine(マーケジン)
2007/07/05 11:32 https://markezine.jp/article/detail/1360

Special Contents

PR

Job Board

PR

おすすめ

イベント

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング