日本初のインタラクティブエージェンシー(デジタル領域の総合広告代理店)として誕生し、企業のデジタルコミュニケーションを総合的に支援しているスパイスボックス。本連載では、スパイスボックスのプロデューサーの物延秀と、スパイスボックスと業務を共にする、様々な分野のインタラクティブのプロフェッショナルが、5回に渡り対談を実施。
第2回となる今回は、スマートフォンアプリケーションのマーケティングツール「QuerySeeker Analyze(クエリーシーカー アナライズ)」を提供するクエリーアイ代表の水野政司氏をお招きして、 「QuerySeeker Analyze」を使ってスマートフォンアプリのランキングを分析しながら、昨今の人気アプリのトレンドについてディスカッションしました。
マーケットのランキングとメディア露出を分析してトレンド傾向を読む
物延:まずは、クエリーシーカーのサービスを開始したきっかけを教えてください。
水野:クエリーシーカーはiPhone版のみからスタートしたのですが、iPhoneアプリがどのように売れていくのか、またどんなことをしたら売れていくのかを探るために、マーケットのランキングデータを活用したツールを開発しようと思ったことがきっかけです。
さらにランキング変動の要因を知るために、ブログやニュースサイト、Twitterといったメディアをクロールしてランキングと関連付けて分析できるようにしています。ランキング上昇したタイミングでのWebメディアでの記事や、Tweetを分析して、ランキング上昇の要因を読み解くことで、スマートフォンアプリのマーケティングに活用できればと思い開発しました。
物延:ぼくたちは、クエリーシーカーをスマートフォンアプリのウェブPR領域を分析できるツールと位置づけています。いかにニュース拡散するかで広告出稿以上の反響が得られるケースが多いのもスマートフォンアプリのマーケティングの特徴だったりするので、ランキングの推移と、PR・ソーシャルの反響の相関性を分析できる部分が一番面白いところかなと。
企業プロモーションとしてスマートフォンアプリに取り組み始める流れが2010年~2011年は大きくなって、今はその効果を慎重に検証するフェーズにきています。そういう意味において、他社の成功事例を客観的なデータを元に分析することは、企業のマーケッターにとって重要になってきていますね。
物延:Apple Storeランキングのロジックについては、DL数の4日間移動平均ということが言われていますが、最近の傾向も同じでしょうか。
水野:基本的にはそうなのですが、その他要素も含めてランキングが決まっているとの話もあります。さらに、iOS5が出たときのタイミングなど、時折メンテナンスをしているのか、ランキング変動が緩慢になることもあります。Androidはより頻繁に、ランキングの急激な変動が見られ、ランキングのアルゴリズムが定期的に変わっているのか、常時1位だったアプリが突如としてランキング上位外になってしまったりということが見られます。
物延:2011年の12月のランキング推移を見ているのと、完全に裏のアルゴリズムが変わったような傾向が見られますね。困ったことですね…(笑)。ただ、傾向が読み取れるのは面白いし、切実な情報です。
水野:ええ、AndroidはApple Storeに比べて安定してないので、まだまだマーケットを整備中なのかなと思っています。