ウェブ体験のマネジメントは、マーケター主導で行う
サミットの会場で、CQを世に送り出したDay SoftwareのCMOをつとめ、現在はアドビ システムズに加わっているケビン・コクラン氏に話を聞くことができた。
コクラン氏は、これまでサイト管理者が行っていた「コンテンツ管理」とは異なり、「ウェブ・エクスペリエンス管理」はマーケター主導で行うものであると説明する。なぜなら、ウェブでの体験はブランドのイメージを左右するものだから。ここで重要になるのは、見た目のデザインやユーザビリティだけではなく、顧客が複数のチャネルや端末の間を移動しても、適切なコンテンツと一貫した体験を実現することである。
製品戦略/ソリューションマーケティング担当ヴァイスプレジデント ケビン・コクラン氏
パーソナライズを実現するにあたっては、多様なクリエイティブも必要になる。「クリエイティブは、パーソナライズされた体験を生み出します。ひとつのバナーだけでは足りません。グローバルなビジネスであれば、どんどんクリエイティブは増えていきます。柔軟に対応し、うまくアセットが流れていくようにしなければなりません。」
多様なコンテンツは、ブランドのコンテクスト(文脈)で制御しなければ一貫したウェブ体験を与えることはできない。ここが、マーケター主導でとコクラン氏が主張する理由でもある。
しかし、とてもコンテンツ作成やアクセス解析にまで手がまわらないと思う人は多いだろう。「現在は、リアルタイムでデータを考察しアクションをとることができます。CQでは、ドラッグするだけでウェブをつくることができる。簡単にパブリッシングし、トラッキングはダブルクリックするだけ。複雑な解析などしなくていいんです」と明快だ。
マーケターは、本来の業務に集中してほしい
今回、CQには新たに「Cloud Manager」(ベータ版)が加わった。これは、キャンペーンサイトにトラフィックが殺到したときにも柔軟に対応できる環境を提供するもの。
「Cloud Managerは、ボタンを押すと8秒で必要なものがすべてセットアップされます。キャンペーンをやってトラフィックが殺到したときのために、いくつかサイトを用意して、閾値を決めておきます。キャンペーンが成功しても、アクセスできなければ失敗ですから。」
従来型のウェブ・コンテンツ管理はSIerが必要だったが、コクラン氏は「我々がやります。インテグレーション、トラフィック、広告を買うことにお金を使ってほしい」と語る。また、CQ自身も魅力的でありたいと言う。「ソフトウェアをキレイにしたいんです。毎日仕事で使うんですから。」業務用ソフトを好きになってほしいなんてヘンでしょうか?とコクラン氏は笑う。
CQは、Digital Marketing Suiteに含まれる製品としては唯一、オンプレミスで提供される製品である。日本でもローカライズして提供され、今後は年に1回CQの新バージョンが発表される。