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あの企業のソーシャルメディア担当者に聞きました!

ZOZOTOWNのソーシャルメディア担当者に聞く、
キャンペーンで集めたフォロワーを真のファンに変えるには

ファッションが好きな人の母数を増やしたい

Q. ソーシャルメディアの効果測定はどのように行っていますか?

藤本:Twitterはツイートにリンクを貼る際に、Google Analyticsのパラメーターを付けて、「bit.ly(URL短縮サービス)」で短縮したものを使うようにしています。詳細なデータはアクセス解析担当のチームにお願いしているのですが、簡単に自分で効果を見る分にはCrowdboosterを使っています。RT数を目標にしているので、クリック数よりもインプレッション数を重視しています。

菊地:Facebookはインサイトに加えて、Google Analyticsを使っています。注目しているのは、投稿ごとの「いいね」数とページ全体の「いいね」の増え方。あとリーチですね。Facebookの中でどれくらい広がりがあったのかを見ています。

小高:Twitterは現在30万人のフォロワーの方に見ていただいているので、クリック数はかなり多いのですが、全体の売上に与える影響はまだまだ小規模です。全体の売上にインパクトを与えるためには300万人くらいフォロワーが必要かもしれません。

 今はまだ売上に与えるインパクトが少ないのであれば、販促重視で商品を売るためのツイートをするのではなく、より楽しんでもらえる情報発信をした方が、「ZOZOTOWN」らしいかなと。フォローを維持してもらうことで、今後キャンペーンなどを行った際に、より高いバズ効果を得るための準備といった意味でも、その方が適切であると考えています。

Q. ソーシャルメディアの運用を始めて何か変化はありましたか?

藤本:弊社はECの会社なので、お客さまの声をなかなか聞きづらいのですが、Twitterを始めてからお客さまがZOZOに対してどう思っているのかわかるようになったり、ファッションに敏感な方の反応をチェックすると流行の動きがわかるようになったりしたことがよかったなと思っています。

菊地:Facebookの場合、投稿に対して感想やコメントをいただくとショップスタッフと同じような近さでお客さまの声が聞こえるので、とても嬉しいです。特に「いいね」を多くいただいている投稿は、企業活動の紹介なんです。新卒セミナーの準備をしている作業工程だったり、東証一部に上場しましたっていうご報告だったり。そうしてスタッフのことや会社の想いを知ってもらうことでコミュニケーションが生まれるのは、すごく価値があることだなと思っています。

Q. 目標としているゴールは何ですか?

小高:ぼくがメディアサービスを運用している上で心がけているのが、“ファッション好き全体の母数を増やす活動をしよう”ということ。自分たちのファンの中だけで共有できるようなソーシャルメディアの使い方ではなく、業界全体に良い影響を与えていきたい。ファッション好きの全体母数が増えれば、全国のリアルファッションショップに足を運ぶ人も増え、良い影響が出るのと同時に、自然と「ZOZOTOWN」の売上にも寄与できるものと考えています。

 理想のイメージに近いのはNike+のような効果の生み出し方です。ランナー人口を増やせば自然とNIKEにも良い影響があるだろうという考えをもとに活動されているんじゃないかと勝手に予想しているんですけど。ファッションアイテムって、デザイナーさんやブランドさんの想いが込められた作品で、すばらしいものなんです。オシャレな服を着ると毎日わくわくして楽しくなるじゃないですか。今までファッションに興味がなかった方々にも、そういう体験をしてもらえたらいいなと思っています。

インタビューを終えて

 「Twitterでプレゼントキャンペーンをやっても質の良いフォロワーは集まらない」という話を聞きますが、スタートトゥデイさんではファンだけに向けたツイートではなく、多くの人が楽しめるツイートにこだわり、ファンだけを相手にしていたら聞こえないネガティブな声もしっかりと受け止めるという逆転の発想で、上手にフォロワーの方と向き合っておられました。

 ソーシャルメディアにできることは、“自社のファンを集める”という一方的な利益を生み出すことではなく、豊かなライフスタイルを求める消費者と一緒になって、業界全体にポジティブな循環を生み出すことなのかもしれません。

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この記事の著者

野本 纏花(ノモト マドカ)

1983年生まれ。成蹊大学経済学部卒業。大学卒業後、大手IT企業にてレンタルサーバーサービスのマーケティングを担当。その後、モバイル系ベンチャーにてマーケティング・プロダクトマネージャーを務める傍ら、ライター業を開始。旅行関連企業のソーシャルメディアマーケターを経て、2011年1月Writing&Marketing Com...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2012/04/26 11:00 https://markezine.jp/article/detail/15572

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