『ウェブはグループで進化する』
本書を著したのは、グーグルでソーシャルメディアについての研究を主導し(のちにGoogle+のサークル機能として結実)、現在フェイスブックでブランドデザイン部門のグローバル責任者を務めているポール・アダムス氏。この経歴が、本書をネットで話題の書籍にした一因にもなっています(アダムス氏は、グーグルの要請で自著がお蔵入りしたことがあり、その後書かれたのが本書)。
人間関係がウェブに持ち込まれ、ソーシャル時代を迎えてから、まことしやかに語られてきた「インフルエンサーの重要性」といった考え方を再考し、ウェブ上の人間関係の構造から洗い直して考察しています。
「本書は人の社会行動に関する法則を理解するための入門書である。人は社会的な存在であり、ウェブ上での社会行動を理解することは、あらゆる企業にとって必要不可欠になるだろう。」(「本書の使い方」より)
なぜ人は会話するのか、強い絆と弱い絆がもたらす違い、ソーシャルプルーフ(社会的証明)、グループ内の影響関係などについても手際よく整理し、ソーシャルマーケティングと広告についてマーケターが持っている先入観を見直すきっかけとなる本となっています。
『インターフェイスデザインの心理学』
「人はどう見るのか」「人はどう読むのか」「人はどう考えるのか」……こうした問いかけが各章のタイトルとなっています。デザインを相手から反応を引き出すための大事な要素として位置づけ、「買ってほしい」「読んでほしい」「行動を取ってほしい」、ではそのためにどうデザインするのかを解説してします。
「人間の行動原理を理解していないデザインは相手を混乱させるだけで目的の結果を得ることができません」という本書の説明は、上で紹介した本にも通じるところ。第7章のタイトルは、「人は社会的な動物である」。「“強い絆”を有する集団の規模の上限は150人」「嘘の度合いは伝達手段によって変わる」といった興味深い見出しが並び、ソーシャル時代のデザインを考えるうえのヒントになりそうです。
本書ではすべてのデザイナーが知るべき100の指針を実践例とともに紹介しています。
『商談にむすびつける 売上をあげるためのBtoBマーケティング入門』
『ソーシャルメディアもPRも自分がでちゃうんです 化粧はほどほどにね』
最後に2冊の電子書籍を紹介します。インプレスコミュニケーションズが「スマートフォンで気軽に読める」というコンセプトでつくった電子書籍レーベル「impress QuickBooks」の新刊です。
『商談に結びつける 売上をあげるためのBtoBデジタルマーケティング入門』は、キヤノンマーケティングジャパンの増井達巳氏と、MarkeZineでもおなじみ、米アドビ システムズの清水 誠氏のふたりによる対談の講義録。
ユニークなタイトルの『ソーシャルメディアもPRも自分がでちゃうんです 化粧はほどほどにね』は、ネットワークコミュニケーションズ 代表取締役の岡田直子氏がまとめた、PRについての6つの事例集。どちらも、複数の電子書店で提供されています。