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MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

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MarkeZine Day 2025 Retail

統括編集長インタビュー

「コンテンツのマーケティングはクリエイターにしかできない」 有料コンテンツ配信プラットフォームを立ち上げた『もしドラ』編集者の勝算


クリエイターがマーケティングしやすい機能

 さて、『もしドラ』での経験から「コンテンツのマーケティングはクリエイターしかできない」と痛感した加藤氏は、その経験を活かしクリエイターのマーケティングを支援する機能をcakesに組み込んでいる。クリエイター専用のURLを配布しそのURL経由で購読が成立した場合に一定の金額を支払う、いわゆるアフィリエイトのような仕組みに加え、バイラルを起こしやすいような機能が備わっている。

 「クリエイターさんの立場からすると、いくら自分が書いた記事だからといって有料コンテンツのURLを自分のフォロワーにつぶやくのは、正直ハードルが高いと感じました。そこで、自分のフォロワーへつぶやきやすい仕組みを作りました。具体的には『有料コンテンツのURLですが60分間は無料で読めます』という形でつぶやける機能をつけたのです。こうすると、つぶやきの意味合いが『無料で試し読みしてみて、よかったら有料会員になってください』という意味合いに変わり、作家さんやクリエイターさんからすると、読者に対してプレゼントをしているような気分になれます。

 バイラルを広げるためには、発信側がツイートしたくなるようなネタにするのがまず第一で、さらに受け手側がそれをみんなにツイートしたいようなネタでなければなりません。それを仕組みとして提供することで、クリエイターさんたちがマーケティングしやすい環境を整えています。もちろんマーケティングはクリエイターさんだけではなく、一緒にコンテンツを作っている編集者がやってもいいのです」

Webで普通にコンテンツが買える時代に

 このような加藤氏の取り組みへ賛同する出版関係者も多い。スタート後の会員数の状況は「当初の予想よりもかなりよい感じ」(加藤氏)であり、同様の問題意識を抱える出版関係者からの協力も多いという。今後については加藤氏は次のように語っている。

 「クリエイターさん、提携メディアさんの数を増やし、コンテンツを充実させていく点はもちろんですが、モバイル対応をより強化するとともに『コンテンツが読みやすい』デザインにこだわっていきたいですね。会員数の目標は早期に1万人を超えることです。

 有料メルマガが増えてきているなど、無料が当たり前だったWebの世界も少しづつ変わってきている感じていて、これからはWebでもコンテンツを買うことが普通になってくると考えています。よく、私たちの取り組みを競合と勘違いされる出版社関係者の方がいらっしゃるのですが、それは大きな誤解です。私たちは『Web上でも普通にプロのコンテンツを買えるようにしたい』という思いがあり、それは本の市場とはまったく違う、新しい市場を創ることだと考えています

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この記事の著者

押久保 剛(編集部)(オシクボ タケシ)

メディア編集部門 執行役員 / 統括編集長

立教大学社会学部社会学科を卒業後、2002年に翔泳社へ入社。広告営業、書籍編集・制作を経て、2006年スタートの『MarkeZine(マーケジン)』立ち上げに参画。2011年4月にMarkeZineの3代目編集長、2019年4月よりメディア部門 メディア編集部...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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2025/09/19 11:29 https://markezine.jp/article/detail/16478

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