エントリーフォーム最適化に重要な認識は「お客様は間違える」
例えば、友人に、あなたは電話番号教えてほしいと言われ、メモとペンを渡されたら、どういう風に書くでしょうか。
A君は、 「090-2378-****」
Bさんは、 「090(2378)****」
Cちゃんは、「090 2378 ****」
と書くかもしれません。何が言いたいのかと言うと、人によってさまざまな書式で記入するということです。そのため、エントリーフォームでは一般的に使われるすべての書式を受け入れるようにする必要があります。
このような例は枚挙にいとまがありません。そのため、前提としてまず認識しなければいけないのは、お客様が間違えずにエントリーフォームを入力することなど期待してはならず、お客様は常に間違えるもので、その間違いをどうすれば減らすことができるのかを考えることが大切なのです。
エントリーフォーム最適化で確認してみてもらいたい14の項目
今まで、私は蓄積した経験則(ヒューリスティック評価)項目を100程度用意し、企業様のエントリーフォームと照らし合わせエントリーフォーム最適化を行ってきました。その中のいくつかの項目を以下に列挙してみたいと思います。
2.一目でわかるエラーメッセージを提示すること
3.問題が起きている箇所をはっきりと強調し、説明するために、色やアイコンやテキストを使うこと
4.文章は手短にわかりやすく伝えること
5.長いエントリーフォームの場合、情報を保存して、中断した人を助けること
6.一般的に使われる書式はすべて受け入れること
7.郵便番号を入力すると自動的に住所を補完すること
8.ブラウザの「戻る」ボタンを仕様不可能にしないこと
9.テキストボックス上にエラーを表示させること
10.エラー表示がテキストリンクになっており、間違いのテキストボックスにすぐとべること
11.FAQのコンテンツが充実させ、迅速かつ簡単にアクセスできるようにすること
また、「個人情報登録時にサイトのセキュリティを確認する」という人が6割以上もいるので(引用元:日経BPの一般家庭意識調査)、以下のようなセキュリティ上の注意点は欠かせません。
13.ベリサインなどのデジタル証明書が掲載されていること
14.個人情報保護法に遵守していることをうたっていること
もちろん、業界によって、エントリーフォームはさまざまでありますし、UI(ユーザーインターフェイス)デザインに絶対的な答えなどありません。エントリーフォームは、金融、人材業界のような長いものに対して、化粧品、食品業界のような比較的短いものもあります。業界によって、適宜エントリーフォームを最適化する必要性があるのです。
エントリーフォームがリアル店舗に近づく
最後にエントリーフォームが、今後どのように進化していくかを考察してきたいと思います。そもそもネットは音声・映像・文字・写真などを使用することが可能です。このような技法を駆使して、エントリーフォームはお客様がより少ないストレスで、入力できるように進化しています。
そんな中でも最近注目を浴びているエントリーフォームにPIP(Person in Presentation)という技法があります。例えば、以下の写真で記した「オリックスVIPローン」や「FXonline」などのエントリーフォームです。
これらのPIPでは、会員登録の場合、ナビゲーターのモデルが画面に現れて、エントリーフォームの入力方法を細かく指示してくれます。また、お客様が入力を間違った場合、HTMLエントリーフォームのように、最後にまとめてチェックを行うのではなく、その都度フォローアップするスタイルをとっていて、ストレスや不安感もおのずと軽減されるのです。
さらに、人が身ぶり手ぶりで語りかけるように説明、解説することで、サイトに人の温かみをもたらし、わかりやすさや楽しさでお客様は思わずひきこまれるようになるようです。このような流れは、リアル店舗とまったく同じです。ネット店舗と言えども、お客様に商品やサービスを買ってもらうことに違いはないのです。お客様のお買い物満足度を上げるために、従業員を教育しおもてなしの質を上げるでしょう。
つまり、Web環境が整っていくと、ネット店舗もリアル店舗にどんどん近づき、動画やFlashなどを利用を駆使して、おもてなしの質を問われるようになっていくのではないかと個人的には考えています。