利用するデメリットも確認
さて、タグマネジメントツールを導入することによる大きなメリットを挙げましたが、では逆に、デメリットはどうでしょうか?答えとしては、多少ですがデメリットもあります。
以下にデメリットと、それぞれに対する備考のコメントをまとめました。
・導入コストが必要
(タグマネジメントツールのタグ埋め込みと、既存の他ツールのタグ削除の作業工数)
⇒Webサイトの立ち上げ時やリニューアル時に行うことで軽減も可能
・特殊なケースの場合に専門知識が必要
(○○を実行した際に××というタグを発行、などのような特殊条件処理の場合に設定方法が若干複雑化。相性の悪いツールの場合、利用できないことも)
⇒そもそもが複雑な処理を行っているため、致し方ない部分も。専門家のサポートを得られるのが望ましい
・ツールの提供元のサーバーがダウンしていると使用できない
(オンラインツールであるため、タグマネジメントツール提供元のサーバーがダウンしている場合に動作しない)
⇒アクセス解析ツールなどの他のツールでも当てはまる問題。可能であれば導入前に安定性を確認しておく
ざっと挙げてみましたが、いかがでしょうか。
短期的に見ると、導入のためのコストが目立ちますが、逆に言ってしまえば目立つデメリットは導入コストぐらいです。長期的な視点でみると、メリットの方が上回ると言えます。
実際のところは、全ページに埋め込んでいるタグの情報を洗い出すという手間がかかる作業に対し、タグマネジメントだけでは「把握しやすくなる」だけですので、かける労力が割に合いません。
そのため、多くの場合「タグマネジメントを行う」ということは「タグマネジメントツールでタグマネジメントを行う」ことを指し、タグマネジメントツールを使うことで得られるメリットも含めて「(タグマネジメントツールを利用して)タグマネジメントを行いましょう」となるのです。
次のステップへ進むための、タグマネジメント活用を
今回は、タグマネジメントを行うのであればぜひ利用をお勧めするタグマネジメントツールについて紹介しました。もし「では実際に導入するにはどうすればいいだろう?」となったら、こちらのGoogleが提供するマネジメントツールの入門解説記事を参考にしていただければと思います。
連載目次:「Google Tag Manager」ではじめる解析タグ統合管理
第1回:解析タグ管理がラクになる?Google Tag Managerの特徴と導入前のチェックポイント
第2回:Google Tag Managerのタグ移行作業を徹底図解!タグの登録、埋め込み、公開まで
第3回:Google Tag Managerを使いこなそう!カスタムタグ・マクロ・イベントを使って思い通りのトラッキング
これまでの3回の連載を通して、タグマネジメントの概念から経緯、便利なツールまで一通りの解説が終わりました。ですが、ただタグマネジメントを行うだけでは、把握・管理がしやすくなるだけで終わってしまいます。
タグマネジメントを行った後、できればそのリストアップした各タグを見直してみてください。「なぜ埋め込んでいるのかわからないタグ」や「今はもう必要なくなってしまったタグ」などがないか、そして「それぞれのタグを今の状態よりもより効果的できないか」を考えてみてください。タグマネジメントとして埋め込まれているタグの全体を見易く・把握しやすくした上で見直せば、さらなる改善点が見つかるかもしれません。
把握や管理だけでなく、整理整頓まで繋げられれば、よりタグマネジメントを有効に活かせたと言えるでしょう。
そして、次回は本連載の最終回として、実際にタグマネジメントツールとしてGoogleタグマネージャーを導入した際の事例を紹介する予定です。こちらは少し間が開いての公開となりますが、今しばらくお待ちください。