SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

直近開催のイベントはこちら!

MarkeZine Day 2025 Retail

COLUMN

「モバイル広告は、もはや広告という狭い領域の中で完結するものではない」モバイル広告の変遷と未来

企業、取引先、消費者の三者のニーズを満たす

小野:カールスバーグのクーポンも面白かったですね。これはGPSを活用したもので、アプリを立ち上げると、その近くでカールスバーグを飲めるお店が出てきます。そこでクーポンが発券されて、ユーザーはそれをお店にもっていくといったものでした。

第11回(2012年)モバイル広告大賞 マーケティング部門 ベストイノベーション受賞

杉山:サントリーの取引先は町中のお店屋さん。「カールズバーグおいてね」ってサントリーの人が営業にいったときに、「これをお客さんは本当に飲みに来るの?」といったやり取りは容易に想像できますよね。この施策はそれをサポートするものです。

 飲みたい人にもこの近くでカールズバーグを飲めるという情報とクーポンを提供し、同時に町のお店のオーナーにもうれしい、双方の問題を解決する面白い施策ですよね。

小野:これがどこにでもある、プレミアムモルツだと面白くないんですね。必ずしもお店にあるとは限らない、カールスバーグだからこそ面白いんです。うまくモバイルの特性を活かした、BtoBtoCの良い事例です。

もはや広告という狭い領域の中で完結する話しではない

小野:今年になって、僕が務める大学のマーケティング学科に入学した大学生にたずねたら、約90%はスマホを持っていました。僕のクラスに関しては、40人中、スマホじゃないのはたった2人だけでした。今の大学生にとって、スマートフォンを持ってLINEをやるのは当たり前だし、彼らはある意味で、かなり情報の選別に長けているのかもしれません。

杉山:スマホ世代は上手に使いますよね。だから下手をすると、逆に企業側が使われてしまいます。企業が思っているようには、彼らは動いてくれない。

杉山:またシニア層に関しては、タブレットの普及に伴い、彼らにリーチできる新しいモバイル広告の施策が出てくると思います。

 たとえばテレビを観ながらタブレットのページをめくっていると、テレビと連動した広告が出てくるとかでしょうか。電子書籍という流れの中に、新たに組み込んでいける広告などは、シニアにもなじみやすい広告のカタチでしょう。

 やはりスマートフォンは画面が小さいので、40~60代になってくると細かすぎますよね。だけどタブレットのめくるという行為は、中高年でもできるので、様々な新たな手法がこれから出てくるでしょう。タブレットは年をとっても使える、そこがキーだと思いますね。

小野:先にも話しましたが、モバイル「広告」というのは、モバイル広告大賞の審査会をやっていて、いつも引っかかるところです。広告という狭い領域の中で完結する話しではないんですね。マーケティングコミュニケーションとでも言うべきでしょうか。

 消費者は、価値があれば広告を受け入れるだろうし、価値がなければ受け入れないでしょうね。消費者は取捨選択していくからこそ、モバイルならではの特徴はどこかで活きてくると思います。

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • note
関連リンク
COLUMN連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

安成 蓉子(編集部)(ヤスナリ ヨウコ)

MarkeZine編集部 編集長
1985年山口県生まれ。慶應義塾大学文学部卒業。専門商社で営業を経験し、2012年株式会社翔泳社に入社。マーケティング専門メディア『MarkeZine』の編集・企画・運営に携わる。2016年、雑誌『MarkeZine』を創刊し、サブスクリプション事業を開始。編集業務と並行して、デジタル時代に適した出版社・ウェブメディアの新ビジネスモデル構築に取り組んでいる。2019年4月、編集長就任。プライベートでは2児の母。

★編集...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

MarkeZine(マーケジン)
2013/05/27 17:00 https://markezine.jp/article/detail/17711

Special Contents

PR

Job Board

PR

おすすめ

イベント

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング