日経BP社の「日経デジタルマーケティング」とD2Cは、日本国内で1億3,200万台(2013年5月TCA調べ)普及している携帯電話について、企業のモバイル広告の利用動向調査を共同で実施した。
2013年度の広告費を増やす企業は23.6%
2012年度の広告費を「100」としたときの2013年度の広告費総額の見通しは、回答企業全体平均で「101.91」。前回調査時の「104.01」から2.1ポイント減少した。2013年度広告費を前年比101以上に増やすと回答した企業は23.6%となった。
媒体別の予算配分増減を見ると、デジタル広告(PC広告、フィーチャーフォン広告、スマートフォン広告)全体では、「増やす」が21.2%だった。デジタル広告の中で「増やす」の割合がもっとも高いのはPC広告の18.3%。フィーチャーフォン広告は4.1%、スマートフォン広告は15.9%であった。デジタル広告、及びすべての媒体で、「減らす」の割合がもっとも低かったのはスマートフォン広告の1.7%であった。
一方、デジタル広告の「増やす」割合について3か年の変化を確認すると、デジタル広告全体では大きな変化が見られないものの、PC広告とフィーチャーフォン広告では減少傾向が見られた。反対にスマートフォン広告では増加傾向であった。デジタル広告内での予算配分も変化してきている様子がうかがえる。
スマートフォン広告への出稿率がフィーチャーフォン広告を初めて上回る
フィーチャーフォン広告には、全体で8.3%(前回:13.2%、前々回:16.9%)、BtoC企業では18.3%(前回:27.8%、前々回:29.9%)が出稿したと回答。フィーチャーフォン広告への出稿率はこの3か年で8.6ポイント(BtoC企業では11.6ポイント)減少した。
一方、スマートフォン広告には、全体で13.3%(前回:10.9%、前々回:4.1%)、BtoC企業では28.1%(前回:22.5%、前々回:8.1%)が出稿しており、スマートフォン広告への出稿企業は増加。特にBtoC企業では3か年で20.0ポイントと大幅に増加し、2012年度は、スマートフォン広告の出稿率がフィーチャーフォン広告を初めて上回った。
スマートフォン広告の媒体別出稿比率
スマートフォン広告の出稿企業に、2012年度の広告出稿媒体について聞いたところ、「一般のポータルサイト・検索サイト(70.8%)」「アドネットワーク(38.9%)」「SNSサイト(29.2%)」「携帯キャリアの公式ポータルサイト(26.4%)」の順となり、多くの媒体で前回調査よりも高い比率を示した。
また、「今後、出稿してみたいメディア」について聞いたところ、「SNSサイト」では52.8%となり、「2012年度 出稿メディア」の29.2%より20ポイント以上高い数値に。幅広い媒体へのスマートフォン広告の出稿意向が高まっていることがうかがえる。
スマートフォン広告の広告効果指標
スマートフォン広告の出稿企業に、広告効果指標について聞いたところ、「CTR(クリック率:59.7%)」「クリック数(58.3%)」「CPC(クリック単価:54.2%)」「CPA(顧客獲得単価:54.2%)」の順になった。「CTR(クリック率)」、「クリック数」、「CPC(クリック単価)」では、前回の調査よりも10~20ポイント以上増加しており、2012年度にスマートフォン広告を出稿した企業がこれらの効果への期待が大きかったことがうかがえる。
【調査概要】
調査期間:2013年5月10~30日
調査方法:郵送調査
調査対象:国内の上場企業及び有力未上場企業4,229社
回収サンプル数:542件(回収率:12.8%)
調査会社:日経BPコンサルティング
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