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【デル 千歳敬雄 × マリンソフトウェア 土谷薫】
競合との攻防、予算獲得、全体最適、デジタルマーケターの真剣勝負を語る!

2013/12/19 11:45

「モバイル」:買ってもらうデバイスは、実は何でもいい

土谷 デバイスの変化にはどのように対応していますか?

千歳 サイトへのトラフィックを見ても、タブレットを含むモバイルデバイス経由でのアクセスは増えています。また、パソコンとモバイルではトラフィックのピークやサイト訪問の目的にも差異があります。我々からすると、お買い物という意味ではどのデバイスでいつ買っていただいても構わない。ただし、コミュニケーションの観点で言うと、時間や場所といった行動特性にまで踏み込んだ、リアルタイムかつTPOに合ったダイナミックなコミュニケーションを追求していくことが今後、より強く求められていると思っています。

土谷 トラディショナルな広告の時代には、その性質上「最大公約数パターンはこれだ」と想定することが一番効率の良い方法だった。マーケティング全体もターゲットを静的対象のように捉える傾向がありました。ターゲットにリーチできているかも明確にしづらかったためクリエイティブの作り方も含め、この「最大公約数」が重用視されてきましたが、同じ発想でオンライン広告を使いこなそうとすると、むしろ無駄が増え効果が下がることになる可能性がありますね。

デジタルマーケターが陥りやすい罠

千歳 オンライン広告はトラックできるから、ファーストタッチとラストタッチの効率の良い場所が特定しやすい。だからこそ「ここが当たり!」に固執しすぎてしまうことがある。実は非常に狭いところを一生懸命掘り返していただけ、という経験は私自身もあるんです。

あるときを境に数字がついてこなくなる瞬間がある。「なぜだろう」と思って考えていると「ここは同じことばっかりやっていた」というのに気づくという経験が過去に何度もありました。そこがデジタルの便利なところであり怖いところですね。データに誘導されて気が付くと、すごい狭いところに行っちゃって大事な本流を逃しているという。

土谷 そういうときはどうするんですか?

千歳 一度頭の中をリセットして、自分たちがやってきたことを全否定してみたりします。コンバージョン率の裏側にある非コンバージョンの動きを想像したりする感じです。

あとは、フィールドに出たり、FGIなどを通じて生の声に触れることも大切だと思います。パソコン売場であれば、秋葉原と有楽町、郊外の家電店でマンウォッチングしたり、まったく関係ないカテゴリの広告活動からその狙いを想像したりすることで、新しい視点を得られることもあります。

デジタルの人が気を付けなければいけないのは、データだけ見てわかった気になってしまうこと。データから何かしらの見立てを作るセンスも大事ですが、相手は人間なので、人の生の動きや発言から得られるものもデータを嗅ぎ分ける上でとても役立つはず。なので煮詰まったら野に出るというのが一番僕はいいと思いますよ。 

究極の「全体最適」とは

土谷 よく話題になる「全体最適」についてなのですが、立場やマーケティングの考え方の違いによるボタンの掛け違えがこの言葉を難しくしているのではないかと思います。

千歳 全体最適というのは便利な言葉だけに、私自身も局面に応じてその言葉に含める意味は異なっていると自覚しています。大事なのは時間、目的、範囲といったものを意識しておくことかなぁ、と。究極的な全体最適は、会計年度が閉まったときに利益が出て顧客が増えて、満足度も上がって、というような「会社として三方良し」な状態だと思いますが、デジタルマーケティングに携わる者としてはそこまで待たずに何か手ごたえを感じたいところです。担当している範囲で、四半期ないし半年程度の目的設定に対してミートするような施策が打てた場合が、PDCAのサイクル的にも良い塩梅なのかなぁ、と思います。

ただ、それは一階層上の人から見ると「部分最適」なんですよね。レイヤーが違うと全体のスコープが変わってくるので、みんなが「それだね」と思える全体最適は実はないという気がしています。各人のレベルで全体最適されて、それが積み重なった結果、お客さんが選んでくれるというのが究極の全体最適だと思っているのですが、どの会社でもそれは永遠の課題なのではないかな、と思っています。

土谷 最初から100%全体最適できるということはないからこそ、何を「全体」とするのか、その範囲設定をするのは広告主側のマーケターの責任。トライ&エラーで改善していくためには、仮にでも最初に枠をセットして始めてみなければ何も出てきません。

 一方で経営者の方にぜひ理解いただきたいのは、デジタルマーケティングは何度でもテストができ短期サイクルで成果を追求できる世界であり、決して 「ツールは人に代わって作業するものではない」ということ。将来の金脈を掘り当てるためには大量のトランザクションをこなし何度も分析し再度実行しなければならない。以前は存在しなかった作業領域でありテクノロジーの力が必要です。日本の企業はツールを入れるのに二の足を踏むことが多い。現場を理解している担当者がいいと思っていても、上司を説得するのに時間がかかってしまう。そういうところは少しだけ発想を変えてみていただけたらと思います。これは成果を上げるための武器であると。今日は刺激的なお話、ありがとうございました。

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